ハガレンノベライズ版レヴュー六冊目。
『小説鋼の錬金術師 新たなはじまり』(原作・イラスト:荒川弘・著:井上真、スクウェア・エニックス、2007年)
今回の主人公はめずらしく、ウィンリィ・ロックベル。現シリーズアニメの時期でいうと、 第十一話以後、エルリック兄弟とともにラッシュバレーを訪れて、そのまま残った時点から。
ガーフィルさんのお店で見習い技師として働きはじめたウィンリィ。
めきめきと実力をつけた彼女は、はじめてのお客さんを任される。その相手はダリシュという、義足の少年。
知識と技術では負けない自負があったウィンリィは、ダリシュの新しい義足製作のためにあれやこれやと心を砕きますが、それがいつしか空回り。さらには、悪徳技師たちの陰謀にも足を踏み入れてしまいます。
おなじみ錬金術師兄弟がいないため、派手なアクションシーンはありません。あくまで、ひとりの少女の挫折とこころの成長を描いたもの。華麗さはないですし、ご都合主義的でもありますが、地味に職業人としてよく通るような過程をていねいに追っているところは好感がもてます。
そうそう、ウィンリィって一歩間違うと自信過剰で、機械鎧を自分の作品のように勘違いしているような言動があるんですよね。
アニメだと,その点ばかりが鼻につくんですが、この小説では彼女がかなりの努力家で思いやりのある女の子であることがわかります。
あと、師匠のガーフィルさん。おネエ系のキャラ(笑)なんですが、理解があってしかもけっこう逞しい方であることがわかります。
表題作の「新たなはじまり」とは別に、収録されているのは「アルフォンス、苦労する」
セントラル滞在中のエルリック兄弟。エドワードは、ある理由のため町中で善行を施し、名を売ろうとする。いつもなら諌め役のアルフォンスまで乗り気だが、尻拭いに奔走せざるをえなくなり…という例のコンビのサイドストーリー。入院中のロイとハボックが出てくるので、時期とすればFA第十九話以降らしい。
エドワードが意外と不器用なことがわかるエピソード。
原作者の荒川先生も読みなおしをされていらっしゃるせいか、第一巻から比べるとキャラの違和感はほとんどないです。
小説版は第六巻で止まっているのですが、アニメ新シリーズもはじまった(2009年8月現在)ことですから、シン国のメンバーを主役に据えたサイドストーリーなんぞもあるのかも。
次回はゲームノベルズのレヴューをします。
【小説版鋼の錬金術師レヴュー一覧】
『小説鋼の錬金術師 新たなはじまり』(原作・イラスト:荒川弘・著:井上真、スクウェア・エニックス、2007年)
今回の主人公はめずらしく、ウィンリィ・ロックベル。現シリーズアニメの時期でいうと、 第十一話以後、エルリック兄弟とともにラッシュバレーを訪れて、そのまま残った時点から。
![]() | 小説鋼の錬金術師 6 (COMIC NOVELS)![]() |
ガーフィルさんのお店で見習い技師として働きはじめたウィンリィ。
めきめきと実力をつけた彼女は、はじめてのお客さんを任される。その相手はダリシュという、義足の少年。
知識と技術では負けない自負があったウィンリィは、ダリシュの新しい義足製作のためにあれやこれやと心を砕きますが、それがいつしか空回り。さらには、悪徳技師たちの陰謀にも足を踏み入れてしまいます。
おなじみ錬金術師兄弟がいないため、派手なアクションシーンはありません。あくまで、ひとりの少女の挫折とこころの成長を描いたもの。華麗さはないですし、ご都合主義的でもありますが、地味に職業人としてよく通るような過程をていねいに追っているところは好感がもてます。
そうそう、ウィンリィって一歩間違うと自信過剰で、機械鎧を自分の作品のように勘違いしているような言動があるんですよね。
アニメだと,その点ばかりが鼻につくんですが、この小説では彼女がかなりの努力家で思いやりのある女の子であることがわかります。
あと、師匠のガーフィルさん。おネエ系のキャラ(笑)なんですが、理解があってしかもけっこう逞しい方であることがわかります。
表題作の「新たなはじまり」とは別に、収録されているのは「アルフォンス、苦労する」
セントラル滞在中のエルリック兄弟。エドワードは、ある理由のため町中で善行を施し、名を売ろうとする。いつもなら諌め役のアルフォンスまで乗り気だが、尻拭いに奔走せざるをえなくなり…という例のコンビのサイドストーリー。入院中のロイとハボックが出てくるので、時期とすればFA第十九話以降らしい。
エドワードが意外と不器用なことがわかるエピソード。
原作者の荒川先生も読みなおしをされていらっしゃるせいか、第一巻から比べるとキャラの違和感はほとんどないです。
小説版は第六巻で止まっているのですが、アニメ新シリーズもはじまった(2009年8月現在)ことですから、シン国のメンバーを主役に据えたサイドストーリーなんぞもあるのかも。
次回はゲームノベルズのレヴューをします。
【小説版鋼の錬金術師レヴュー一覧】