乳児ら17人に「おおかみ男症候群」 原因はなんと胃薬 スペイン
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さまざまな種類の薬剤(2017年3月23日撮影、資料写真)。(c)LOIC VENANCE / AFP
【8月28日 AFP】スペインの厚生・消費・社会福祉省は29日、医薬品の取り違えが原因で、乳児を含む子ども少なくとも17人に、いわゆる「おおかみ男症候群」(多毛症)の症状が確認されたと発表した。親がわが子に飲ませた胃薬の中身が、脱毛治療薬だったという。
多毛症は、体毛が過剰に成長する身体症状。今年6月、保護者らが子どもたちの全身に体毛が生え始めたことに気付いた。
マリア・ルイサ・カルセド(Maria Luisa Carcedo)厚生相は記者団に、製薬会社の施設でミノキシジルがオメプラゾールと記載されたケースに誤って梱包され、そのまま薬局に届けられたことが分かったと説明した。梱包ミスを起こしたのは南部マラガ(Malaga)にある活性成分や医薬品の製造会社「ファルマキミカスル(FarmaQuimica Sur)」だが、ミスが起きた経緯は現在のところ不明。
厚生・消費・社会福祉省によると、子どもたちは既に問題の薬の服用を中止しており、症状は今後回復するとみられている。取り違えの起きたオメプラゾールは回収された。(c)AFP
調教師と一心同体で訓練中、保護区のコンドル デンマーク
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デンマーク・北ユトランドの鳥類保護区で、調教師のピーター・ベンツェルさんと訓練に励むコンドルのモリーナ(2019年8月27日撮影)。(c)Henning Bagger / Ritzau Scanpix / AFP
【8月29日 AFP】デンマーク・北ユトランド(Northern Jutland)地域にある鳥類保護区で27日、調教師のピーター・ベンツェル(Peter Wenzel)さんと訓練に励むコンドル「モリーナ」の姿が見られた。モリーナは2018年11月に保護されてから、毎日訓練を受けている。コンドルは世界最大の猛禽(もうきん)類で、成鳥の翼の長さは3.5メートル、体重15キロに及ぶ。(c)AFP
初期人類の頭蓋骨発見、380万年前 人類進化の理解に新たな鍵
【8月29日 AFP】380万年前の初期人類の「驚くほど完全な」頭蓋骨が、エチオピア北東部で見つかった。研究者らが28日、英科学誌ネイチャー(Nature)で発表した。人類の進化に対する理解を変える可能性もある発見だという。
頭蓋骨MRDはアウストラロピテクス・アナメンシス(Australopithecus anamensis、アナメンシス猿人)のもので、2016年2月にエチオピア北東部アファール(Afar)地方のウォランソミル(Woranso-Mille)で見つかった。
この場所は、有名なアウストラロピテクス・アファレンシス(Australopithecus afarensis、アファレンシス猿人)のルーシー(Lucy)の発掘場所から55キロしか離れていない。ルーシーは320万年前に生息していた現生人類の古代の祖先とされる。
これまでに発見されている初期人類の化石としては、アフリカ・チャドで2001年に発見されたサヘラントロプス・チャンデンシス(Sahelanthropus tchadensis)のトゥーマイ(Toumai)がある。この化石は約700万年前のもので、現生人類系統の最初の祖先と考える古生物学者もいる。
また、アルディ(Ardi)は、初期人類アルディピテクス・ラミダス(Ardipithecus ramidus)の約450万年前の化石だ。その他、少なくとも390万年前のアウストラロピテクスの化石も発見されているが、顎と歯の化石しか見つかっておらず、頭蓋骨がないため絶滅した初期人類の進化の過程の解明は限られていた。
今回の発見は、これまで考えられてきた人類の進化の過程を覆す可能性がある。
論文の共同執筆者で、独マックス・プランク進化人類学研究所(Max Planck Institute for Evolutionary Anthropology)のステファニー・メリロ(Stephanie Melillo)氏は、「アナメンシス猿人(MRD)についてはこれまで、長い時間をかけてアファレンシス猿人(ルーシー)に進化していったと考えられてきた」と述べた。だが、MRDはこの2種類の初期人類が約10万年間共存していたことを明らかにしたという。
頭蓋骨は小さいが、成人のものだとみられる。復元された顔は、頬骨と顎が突き出て、鼻が平らで、額は狭い。
今回、研究者らを驚かせたのは、MRDに見られた特徴だ。トゥーマイのようなサヘラントロプスのもの、アルディのようなアルディピテクスのもののの他、より年代の新しい初期人類の特徴も備えていたのだ。
これについてメリロ氏は、「これまで、約600万年前の最初期の人類の祖先と200~300万年前のルーシーのような初期人類との間には大きな開きがあった」ことを指摘しながら、MRDが「これら二つのグループの形態学的な隙間をつなぐ」と期待を寄せた。(c)AFP/Robbie COREY-BOULET
韓国最高裁、朴前大統領とサムスン副会長への二審判決破棄、審理差し戻し
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韓国のソウル中央地裁に出廷した朴槿恵前大統領とサムスン電子副会長、李在鎔(イ・ジェヨン)被告(2017年8月25日作成)。(c)AFP
【8月29日 AFP】韓国大法院(最高裁)は29日、職権乱用や収賄などの罪に問われた朴槿恵(パク・クネ、Park Geun-Hye)前大統領(67)の上告審で、二審の懲役25年の実刑判決を破棄し、ソウル高裁に審理を差し戻した。
朴被告は職権乱用や収賄などで有罪となり、2018年の一審で懲役24年、ニ審で懲役25年の実刑判決を言い渡されていた。しかし大法院は、収賄罪に関しては個別に判決を下す必要があったと判断した。
李被告は2017年に懲役5年の実刑判決を受け収監されたものの、高裁は翌年、執行猶予付き判決を言い渡し釈放されていた。(c)AFP
1万枚の集熱パネルが作る「祝福」の文字 甘粛・敦煌
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敦煌のギガワット級太陽熱発電所(2019年8月21日撮影)。(c)CNS/楊艶敏
*上記はAFPBBNEWSの記事から引用しました。
*今日の一言
混雑する富士山、落石直撃の登山者が死亡 現場で何が
「ご来光」登山で混雑する富士山頂付近で26日、落石に当たった女性が亡くなった。当時、現場で何が起きたのか。事故は防げなかったのか。国内外から多くの登山客が訪れる富士山の安全対策に課題を突きつけた。
山梨県や県警への取材から事故の状況が明らかになってきた。
亡くなったロシア国籍の女性(29)は25日午後9時ごろ、夫と富士スバルラインの5合目から登りはじめた。
8時間後の26日午前5時ごろ、9・5合目付近まで来ていた女性を落石が直撃した。200メートルほど上の山頂付近にいた県の誘導員が駆けつけ、5合目の県総合管理センターへ「意識レベル低下。出血なし」と一報を入れた。
センターは女性を山頂に運び、運搬車「クローラー」で下山させる方針を決定。登山者が持っていた金剛杖や服で作った担架で女性を山頂に運んだ。
事故から約1時間半後の午前6時35分、クローラーが山頂に到着。女性を乗せて下山をはじめた。途中で医師と合流し、間もなく死亡が確認された。女性はヘルメットをかぶっていなかったが、死因は胸を強く打ったことによる心肺損傷だった。
立ち入りや禁止表示やヘルメットの利用増
山頂直下の鳥居周辺では、昨秋の台風で石積みが崩れて登山道をふさぎ、県が落石防止ネットなどで復旧工事をした。ネットに破損がないことなどから、県警は工事と事故の関連は低いとみている。登山者が大きい音を聞いたという情報はあるものの、落石の目撃情報はないという。
県は事故を受け、山頂の神社から約20メートルにわたって登山道の端に立ち入り禁止ロープを張ったが、落石の原因を特定できていない。富士吉田市によると、6合目の富士山安全指導センターで無料貸し出し中のヘルメットの利用数は、事故前の1日平均約30個から大幅に増えた。
落石による富士山の死亡事故では、1980年に山頂付近の崩落で12人が死亡、29人が重軽傷を負った。88年には下山中の20代女性が頭に落石を受け、死亡している。静岡県側でも2009年に富士宮市の5合目駐車場で、車内にいた60代の男性が落石で亡くなった。
県によると、富士山の5、7、8合目には医師や看護師が常駐している。富士山は風が強く、ヘリでの救助活動は難しいという。
「富士山は落石が起きやすい山」。登山ガイドは警鐘を鳴らします。
「落石は付きもの 起こさぬように」 ガイド
「富士山に落石は付きもの。決して安全な山ではない」。登山ガイドの経験が豊富な富士吉田市案内人組合の笹川修さん(48)は警鐘を鳴らす。
5合目付近より上に森林はなく、かつて噴火した際の噴出物が固まったもろい軽石で覆われる。遮るものがない上に風も強く、地表は不安定だ。自然に起きる落石の主な原因は強風で、「『きょうは危ない』などと予想する必要がある」と指摘する。
富士山には登山経験が少ない人も数多く訪れるため、笹川さんは「落石が起きやすい山なのに、基本的なルールを知らない人が増えている」とも懸念する。
落石を起こさないため、登山道を外れない▽道の頂上側を歩く(谷側を歩かない)▽登山道の外に足を投げ出して休憩しない――ことを求める。
日の出を見る「ご来光登山」は周囲が暗い時間帯に登ることになる。「落石が目視できない可能性があり、危険性は高い。『頂上でご来光が見たい』という思いは否定しないが、夜間の登山はできるだけ避けてほしい」と話す。
*上記は朝日新聞デジタル版の記事から引用しました。
*夏に登る富士山はご来光を見るときは、ラッシュアワーで登山者が注意しないと大事故を起こす前触れとなり、焦らずに歩くことが一番です。