フィリピン南部でまた強い地震 建物倒壊、死傷者も
フィリピン南部ミンダナオ島のキダパワンで、マグニチュード(M)6.5の地震で損傷した建物(2019年10月31日撮影)。(c)EDWIN BADILLES / AFP
【10月31日 AFP】(更新)フィリピン南部ミンダナオ(Mindanao)島で31日、強い地震があり、少なくとも4人が死亡、建物が倒壊するなど大きな被害が出ている。現地では16日以降、強い揺れが相次いでおり、29日にも大きな地震で8人が死亡したばかり。余震は数百回に上り、住民らは不安な日々を送っている。
米地質調査所(USGS)によると、今回の地震のマグニチュード(M)は6.5。
隣接するコタバト(Cotabato)州では、地元自治体の職員を含む4人が死亡した。これに先立ち、先の地震を受けて臨時の救護所が設けられていた建物が倒壊し、中で支援に当たっていた自治体職員1人が死亡したとの報道があった。
別の地域ではホテルの一部が倒壊したが、災害当局者によれば館内は既に避難済みだったという。(c)AFP
パキスタンで列車火災、死傷者100人超 乗客の調理が原因か
パキスタン・ラヒームヤルカーン近郊で、炎上した旅客列車の周りに集まる住民たち。パンジャブ州緊急当局提供(2019年10月31日撮影)。(c)AFP PHOTO / PAKISTAN'SPUNJAB EMERGENCY SERVICE RESCUE 1122
【10月31日 AFP】(写真追加)パキスタン中部で31日、走行の旅客列車が火災に見舞われ、州当局によると少なくとも65人が死亡、40人以上が負傷した。地元メディアは、車内で乗客が朝食を調理していたところ、ガスボンベが爆発したと伝えている。
テレビの映像では、パンジャブ(Punjab)州ラヒームヤルカーン(Rahim Yar Khan)で車両が炎に包まれている様子が確認できる。人々が泣き叫ぶ声も捉えられている。
マザリ氏によると、火災が起きた列車「Tezgam」は、首都イスラマバードに隣接したラワルピンディ(Rawalpindi)と南部カラチ(Karachi)を結ぶ路線で、国内最古で乗客数の最も多い鉄道だという。(c)AFP
953年に鋳造された「滄州鉄獅子」の雄姿、中国河北省
中国河北省滄州市の滄州鉄獅子(2019年10月17日撮影)。(c)Xinhua News
【10月31日 Xinhua News】中国河北省(Hebei)滄州市(Cangzhou)には、今をさかのぼること千年以上、後周の広順3(953)年に鋳造された鉄製の獅子像「滄州鉄獅子」が建っている。鉄獅子は全長6.3メートル、幅3メートル、高さ5.5メートルで、重さは約40トン。内部は空洞になっており、本体を構成する鉄は最も厚い部分で35センチメートル、最も薄い部分で3センチメートル。
冷蔵車の庫内から移民12人発見、英国への密航者か ベルギー
英グレーズで、39人の遺体が内部から見つかったトラック(2019年10月23日撮影、資料写真)。(c)Ben STANSALL / AFP【10月31日 AFP】ベルギーの警察当局は30日、青果を運送中の冷蔵トラックの庫内から移民12人が見つかったと発表した。全員男性で、11人はシリア人、1人はスーダン人だという。
警察によると、トラックの運転手が北部アントワープ(Antwerp)と首都ブリュッセルを結ぶ道路を走行中、荷台に密航者がいる可能性に気付いて通報。警察の指示で幹線道路脇のパーキングエリアに停車し、警察が内部を調べて移民らを発見した。12人とも健康状態は良いという。
ベルギーは、渡英の足掛かりとして移民や密入国あっせん業者に利用されており、パーキングエリアなどに止まったトラックに移民が忍び込もうとする事例が相次いでいる。(c)AFP
、意識保った患者が医師と会話 米病院
脳外科手術を受けるジェナ・シャルトさんを映した動画の一場面。メソジスト・ダラス・メディカルセンター提供(2019年10月29日撮影)。(c)AFP PHOTO / Methodist Dallas Medical Center
【10月31日 AFP】若い女性患者が脳外科手術を受けながら、はっきりと意識を保って施術中の医師と会話する様子が29日、フェイスブック(Facebook)上で生中継された。40分間の動画の視聴者数は、30日までに世界で10万人近くに上っている。
手術を受けたのはイリノイ州在住のジェナ・シャルト(Jenna Schardt)さん(25)。テキサス州にあるメソジスト・ダラス・メディカルセンター(Methodist Dallas Medical Center)のニメシュ・パテル(Nimesh Patel)神経外科部長によると、左側頭葉の血管に血栓ができて脳梗塞を患い、言語障害が出ていた。
パテル医師によれば、開頭手術中もシャルトさんが意識を保っていたおかげで、医師らは脳の言語をつかさどる部分を傷つけていないことを確かめつつ手術を進められた。医師らはシャルトさんに鳥や犬などの単語や数字を言ってもらい、脳の「地図」を作成したという。
これについてパテル医師は、「血栓にアプローチし除去する方法を特定するため、(脳内の)安全な部分を見つけ出す必要があった」と説明した。4時間半に及ぶ手術の中では、シャルトさんの愛犬に関する質問を投げ掛け、記憶に障害が出ていないか確認する場面もあったという。
シャルトさんは作業療法士を目指しており、自身の手術の様子を生中継することで視聴者の理解促進に生かしたいと希望したという。シャルトさんは31日朝に退院できる見込み。(c)AFP
*上記はAFPBBNEWSの記事から引用しました。
*今日の一言
部指導や親の苦情…疲れ果てて逝った先生、「労災」認定される。
和歌山県立高校の男性教諭(当時32歳)が2009年に自殺したのは、民間の労働災害にあたる「公務災害」だったと地方公務員災害補償基金和歌山県支部の審査会が認めたことがわかった。災害補償基金県支部が17年に自殺を「公務外の災害」として遺族の請求を退けていたが、それを覆す逆転裁決となった。
「逆転」裁決
審査会の裁決は今年9月27日付。請求人代理人の松丸正弁護士は今回の逆転裁決について、「長時間労働、部活動のしんどさ、親とのトラブルなど、教員が現実に抱えうるいくつもの問題が総合的に評価された。特に、自宅に持ち帰った仕事の作業時間を時間外勤務時間として考慮した点は、教員の長時間労働の問題を考えるうえで意義がある」と話す。
05年に教員に採用され、和歌山県中部の県立高校で08年春から教諭を務めていた九堀(くぼり)寛さんは、うつ病を患い、翌09年10月に自殺した。
放課後も土日も
裁決書などによると、九堀さんは理科教員などとして勤務する傍ら、野球部の部長に就任。県高校野球連盟の役員の仕事もこなしつつ、08年9月からは監督も兼ねた。放課後は練習が夜まで続き、土日はバスを運転して練習や試合に生徒を引率した。長時間労働や休日出勤が続いた。
部の運営の負担は重かったが、他の職員からの手助けはほとんどなく、学校側の支援体制も不十分だった。九堀さんに不満を持つ部員の親からは、指導のあり方などへの再三の抗議が九堀さんの携帯電話に直接かかり、対応に苦慮した。1年後の09年3月、うつ病を発症した。
「勝手に死んだんじゃない」
「しんどい、しんどい」。九堀さんがそう言うのを家族は何度も聞いた。父の崇さん(72)は、食卓で九堀さんが「もう学校をやめて、百姓をしようかな」と言うのを聞いた。「なりにくい先生になれたんやさかい、がんばらんか」。崇さんは息子を励ましたが、同年10月、九堀さんは自宅裏の木で首をつった。
死後、姉の瀬川祥子さん(43)は遺品の中から、九堀さんがつけていた部活の記録を見つけた。きちょうめんな弟の字で放課後や土日の練習時間が書き込まれていた。長時間労働の克明な証拠だった。自宅のパソコンなどからは、持ち帰って作成した大量の業務文書が見つかった。「弟は勝手に死んだんじゃない。このままじゃ浮かばれない」
家族の思い、届かず
周囲の「労災をやってやりなよ」という声にも背中を押された。瀬川さんは仕事を辞め、同僚や友人らを訪ねて回った。多くの人たちが、苦悩し、やつれていく九堀さんの様子を瀬川さんに証言してくれた。11年、家族で公務災害の認定を申し立てた。
だが、地方公務員の自殺が過労死だったかを判断する災害補償基金県支部は17年、請求を退けた。家族はこの処分を不服として、同県支部の審査会に審査を請求した。
命日を前に
審査会は、野球部に絡む時間外勤務や県高野連関係の業務、勤務開始前の準備や自宅での作業などの一部も時間外勤務として数え、九堀さんの働き方が「月80時間以上の時間外勤務に準ずる」長時間労働だと認定。「野球部監督就任後の業務に関連して精神的ストレスを受け、これが重複したために精神疾患を発症し自殺に至った」として、自殺は公務災害だったと結論づけた。九堀さんの10回目の命日の直前だった。
休みのまとめ取り?
いま国会では、長時間労働の解消をめざした「教員の働き方改革」を進める法案の議論が始まっている。法案には、忙しい時期の労働時間を長くする代わりに、夏休み期間などに休日をまとめ取りする「変形労働時間制」の導入も含まれる。野党などは「繁忙期の長時間労働を追認することになる」などと問題視している。
瀬川さんも不安を隠さない。「押し寄せる部活と仕事のストレスの波をかぶり続け、心身をリセットする時間を持てなかった」ことが弟を追い詰めた、という実感があるからだ。
弟を最後に
瀬川さんは「3カ月先の夏休みまでもたずに気持ちが折れてしまったら、その先生はどうしたらいいのか。それも自己責任なんでしょうか」と話す。夏に大きな大会がある運動部の担当教員が、果たして夏に十分休めるのか、という根本的な問題もある。
「先生がもっとゆとりをもって仕事をできるようにするべきだ。弟のような思いをする人がもう出ないようにしてほしい」
瀬川さんは、教員の勤務のあり方の抜本的な見直しが必要では、と感じている。
◇
瀬川さんは弟の自殺を公務災害と信じ、証言・証拠集めに奔走しました。その苦労をもう少し詳しく、近く配信する別の記事で紹介します。長時間労働や労災、働き方改革などにまつわる情報の提供は、朝日新聞経済部労働チーム(t-rodo@asahi.com)まで。