先週、石積みのイメージを使うとうまくいくのはなぜでしょうか、と書きましたがいくつか分かっていることはあります。
ワークショップのときは、冗談めかして「これが演出の使う魔法です。」なんて言ったりしますが、
参加者に共通のイメージを作り出すことで、本来見えない、人の意図や気を見て取ることができるのかもしれません。
実際演出家の手腕は、どんな共通イメージをそのカンパニー内に現出させるかが問われているのです。
単純に言うとこのゲームは、だれかが言おうとしているその空気を読んで、自分は数字を言うのを控える、とか、逆にだれも言い出さないので、数字を言う、ということを続けていくゲームです。
なので、最初の方で参加者に「どうすればうまくいくでしょう」と問いかけるときに、そのグループにあったリズムで言うと良いことや、気持ちゆっくりに言っていくことなどを言います。
かつて参加者の中で、数字を言う前の人の空気を飲み込む音が聞こえる、と言われていた方がいらっしゃいましたが、そこまででなくともこのゲームは確かにいわゆる相手の気を感じたり、集団の空気を読むという不可思議な作業を可視化するゲームだと言えます。
僕がフィリップ・ゴーリエの学校に参加していたときに、いつも授業は二部制になっていて、最初の90分だったか120分だったかはフィリップではなくてアシスタントの方の、こうしたシアターゲームやムーブメントの授業だったのですが、
そこはヨーロッパの西欧世界の参加者が多いので、だれもがわれさきに数字を言ってしまって、このゲーム成立しませんでした。
この学校は、スウエーデンやエストニア、スイス、スペイン、イスラエルほか本当にたくさんの国から受講生が集まっていましたが、いろんな人の気質がよくわかりました。
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