Re-Set by yoshioka ko

■意味のある「ノー」へ

 同盟ありき、が先行し、日本が〈テロとの戦争〉にどう立ち向かうのかの十分な吟味もなしに日米同盟に走って6年。ようやく議論ができる環境になってきたのだろうか。

《以下引用》
 「訪米中の小池百合子防衛相は9日、ワシントン市内で講演し、民主党の小沢一郎党首が11月1日に期限が切れるテロ対策特別措置法の延長に反対していることについて、「(1991年の)湾岸戦争の際に、いかに日本が貢献するか一番苦労したのが小沢氏だ。同じ方が今回はダメというのは筋が通らない」と批判した。さらに、「湾岸戦争のときから、(小沢氏の)カレンダーがめくられていないのではないか。若干理解を超えてしまう」とも述べた」(8月10日『産経新聞』)《引用ここまで》

 テロ特措法そのものの成立自体、あれよあれよという間に決まってしまった。大体日本の国際貢献は国連あってのものだったはずのところ、「911」以降、日米同盟重視がいつの間にか先行し、それにあわせた辻褄合わせ的な法整備が行われた。そしていつの間にかアフガン戦争からイラク戦争まで、ブッシュ政権とともに歩むことが同盟の役目とばかりに今日まできた。

 そんなところへ「ノー」という声が上がって政府をあわてさせている。いい機会だと思う。〈テロとの戦争〉とは何か、アフガン戦争をきっかけに、海上支援ということで自衛艦を派遣したが、どんな仕事をし、どんな貢献をし、それが〈テロとの戦争〉にどう役に立っているのか、さらに、大義が消えたイラク戦争にどのような理由で協力し、そしてこの戦争のいまの混乱にどう責任を持ち、イラク再生にどう立ち向かおうとするのか、さっぱり伝わってこない政府の声を、この際はっきりさせることができるのであれば、小沢さんの「ノー」は意味のある「ノー」になるに違いない。

 この6年、小泉政権から阿部政権となっても、なぜ日本が行け行けどんどんの日米同盟に突き進んでいったのか、今度こそその説明が聞けるとすれば、いいことだ。

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