だが、どうか?
まず撤退、について。駐留米軍を無期限に展開すべきではない、と報告書は述べているが、「撤退」には3通りしかない。ひとつは即時撤退。しかしこれは、イラク内戦を激化させるだけであり得ない。二つ目は、一時兵力の増強、しかる後撤退。この案は共和党・民主党内でささやかれているが、先の中間選挙で示した民意を納得させるものかどうか・・・。
3番目がイラクの治安を安定させた上で撤退、という考え方。ブッシュ政権が最も望むものだが、今のイラクの状況下で可能かどうか、といえば、答えは悲観的、といわざるを得ない。
こうなるとあとは外交頼み。報告書はイラン、シリアとの直接対話の促進をいう。これまで「悪の枢軸」と呼ばわってきた国を、今度は対話の相手にするという「身勝手」もさることながら、アメリカの全面敗北につながるような選択を、ブッシュ政権は選ぶだろうか。
ヴェトナム戦争に続くイラクでの敗北は、国民にも軍にも大きな「トラウマ」を残すだろう。レイムダック状態とはいえ、何らかの手を打たなければ更なる泥沼しかない、いわば崖っぷちのブッシュ政権が打つ次なる一手は、いったいなにか?
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