《以下引用》
「韓国と北朝鮮は8日、韓国の盧武鉉(ノムヒョン)大統領が今月28~30日に平壌を訪問し、北朝鮮の金正日(キムジョンイル)総書記と南北首脳会談を行うと同時発表した。00年6月に金大中(キムデジュン)大統領(当時)が金総書記と平壌で会談して以来7年ぶり。韓国政府は北朝鮮の核問題解決と南北関係の進展を同時に推進する立場で、北朝鮮核問題が6カ国協議2月合意に基づき「初期段階措置」を終え、核施設無能力化に向けた「第2段階」に入る8月末が南北首脳会談の好機と判断した」(8月8日『毎日新聞』)
やっぱりしたたかな北朝鮮の外交である。結局は国際社会から何のおとがめもないままに核開発、を武器に韓国との首脳会談を実現してしまった。韓国は、といえば、今秋の大統領選を前にレイムダック状態の盧武鉉大統領は起死回生の手に打って出た。
南北首脳会談では、核の凍結と引き替えにエネルギーを含めた経済支援話に終始するだろう。北にとっては願ってもない援軍の登場である。韓国にしても、一時の熱気は冷めたというものの、北とのさらなる関係改善は焦眉の急でもある。対立政党でもある保守系のハンナラ党との大統領争いに勝つためにも、この首脳会談は最大限に利用されるに違いない。
首脳会談が国内の「政争の具」に使われるとすれば、日本が抱える拉致問題に韓国側が積極的に関与するとは考えられない。アメリカもまた国交の回復を念頭に、すでに二国間交渉に臨もうとしているいま、口先はともかくも日本の課題に汗を流そうという姿勢はない。代わって中国、ロシアが日本に手を貸してくれるとはとうてい想像できないわけだから、結果的には、残念ながら日本は6カ国の中で孤立するしかない。
日朝外交のどこにほころびがあったのだろうか。そこに立ち戻って再構築していかない限り、今のままでは、北朝鮮が折れるのを待つしか日本の外交的な選択肢はない。拉致問題に対する小泉・安倍首相らのあまりにも直線的な外交術が招いた結果であることだけは間違いはない。
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