前回はつい調子に乗って「次回に人間のバイオームについて語る」などと書いてしまいましたが、その意味をよくよく考えてみると、とても一回のブログで書き切れるモノではないと思い至りました。
「バイオーム」とは各生物種が共生して創り上げた社会を指し、最初に語った「ヒトマイクロバイオーム」や、次に語った「地衣類と粘菌のバイオーム」くらいに限定すれば、一回のブログでまとめるコトが出来ました。
しかし「人間のバイオーム」となると、それは余りにも複雑で多岐に渡るため、これまで人類が積み上げて来た汎ゆる書物を以ってしても、まだ半分も語れていないのが現状かと思います。
なのでこの「バイオームの可能性」シリーズを締め括る回では、原点に還ってDNAの塩基対の「トンネル効果」について語るコトにします。
DNAは全てのバイオームの根本なので、その可能性を追究するコトは「人間のバイオーム」の根本的追究にもなります。
この根本が実は、電子と陽子の「トンネル効果」の上に成り立っているコトは、最新の科学(量子生物学)によって解明されて来ました。
詳細は「はんなり科学はん」の優れた解説に譲りますが、私達の体内にある400万超の遺伝子(共生微生物由来が99%超)は、それをコードしている塩基対の電子と陽子がトンネル効果を起こすコトで、恒常的に変異し続けているそうです。
この「トンネル効果」には「熱力学的支配」を超える力があり、それは即ち生物には「エネルギー保存の法則」を超える力があるというコトです。
そんな凄い力が生物に備わっているとは驚きですが、実際に生物は「エントロピー増大の法則」にも逆らって「シントロピー効果」を発揮し、地球上にどんどん「シントロピー圏」を拡大させています。
これこそ全ての生物を合わせた「バイオームの可能性」で、全ての生物は共生して地球という「命の星」を創り上げて来ました。
果してこの共生(シンバイオシス)による「シントロピー圏」はどこまで進化して行けるのか?
そのカギは人類が「トンネル効果」によるシントロピー効果を、如何に操って行けるかに懸かっていると言えます。