真の動物福祉牧場を目指して

超文明が辿った歴史

 惑星「萌」は数十は在るとされる天の川銀河での文明を宿す星の中で、最も永く文明の記憶を刻んで来た星で、それは地球文明の一万年後の姿に近いとしました。

 どうすればそこまで永く文明を維持できるのか… それを示すコトがこの「燦」章のテーマで、ここまで「萌」の農業と歌を描いて来ました。

 今回は物語にリアリティを持たすタメにいよいよ「萌」の歴史を描くのですが、これはル-グインが「闇の左手」で惑星「冬」の歴史を描いた手法、すなわち神話的な年代記を引用するコトと致します。

 そこでは惑星「冬」を統治している王家の過去の業績が神話的に綴られますが、「冬」は「萌」よりもずっと文明レベルの低い星なので、その内容と語り口は大きく異なります。

 「萌」の神話はより複雑でリアリティを持ち、それは学問的な「歴史」に近いモノですが、あくまでも英雄の物語として描いて短いエピソードにまとめます。

 この神話のモデルとしては先ず「風の谷のナウシカ(原作)」が筆頭に挙げられるかと思い、そこでは核戦争後に生き残った黄昏の文明が、またしてもに2極化して世界大戦を繰り広げる様が描かれています。

 その大戦に平和をもたらすのが第3極に位置する辺境の地の姫ナウシカで、彼女によって文明は救われて、その後も末永く発展して行くという筋書きです。

 これは漫画なので些かファンタジー色が強いのですが、この第3極の姫君が2極化した世界の争いを調停するという筋書きは使え、その役は「Sunの物語」ではチベットの女性トゥルクに担って貰います。

 「風の谷のナウシカ」はテレパシー能力を持って粘菌(腐海)とそこに住む虫達と心を通わせ、その腐海の勢力が物語での第3極となります。
 「Sunの物語」ではトゥルクの秀祥(しゅうしゃん)が天界の星々と心を通わせ、その進んだ文明の智慧を借りるコトで2極化した地球文明に救いをもたらします。

 今回は筋書きを述べるまでとして、次回から具体的に「萌」の神話を描いて行きます。

 
 
 

 

 
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