ひと通り読み終えると、それらをテーブルへと戻す。
「悪いけど、今日は起きないよ。」
声に力がない。
昨夜から、思っていたことをついもらす。
「ホームズ、君はなんだかおかしいよ。
体調が悪いわけではないだろう?
もっと別の何かがあるのではないのか?」
目をそらす。
あわせ様としていない。
心配をしているのに。
自分で、自分のことも判らないのか。
それとも、
判っていても、どうしようもないのか。
「眠るといい。休む事が一番のクスリだ。
目が覚めたら、いつもの君に戻るよ。」
そのまま、吸い込まれるように眠りについた。
10年前。
初夏。
ここは、オックスフォード大学構内。
広大な敷地には、多くの学生達が学び、暮らしていた。
新入生も落ち着いた頃で、先輩たちと共に学業にいそしんでいた。
校舎から少し離れた、丘の上。
ひとりの学生の姿。
木陰、片手には本。
構内のにぎわいは、ここには届かない。
風邪が揺らす草の音、木々の葉音。
時折、鳥のさえずり。
喧騒から離れていたい者には、ちょうどいい心地よさがあった。
この中にあっては、なにもしていなくても楽しいのだろう。
手にしている本のページはなかなか進んでいない。
静寂を楽しむ、といったところか。
「悪いけど、今日は起きないよ。」
声に力がない。
昨夜から、思っていたことをついもらす。
「ホームズ、君はなんだかおかしいよ。
体調が悪いわけではないだろう?
もっと別の何かがあるのではないのか?」
目をそらす。
あわせ様としていない。
心配をしているのに。
自分で、自分のことも判らないのか。
それとも、
判っていても、どうしようもないのか。
「眠るといい。休む事が一番のクスリだ。
目が覚めたら、いつもの君に戻るよ。」
そのまま、吸い込まれるように眠りについた。
10年前。
初夏。
ここは、オックスフォード大学構内。
広大な敷地には、多くの学生達が学び、暮らしていた。
新入生も落ち着いた頃で、先輩たちと共に学業にいそしんでいた。
校舎から少し離れた、丘の上。
ひとりの学生の姿。
木陰、片手には本。
構内のにぎわいは、ここには届かない。
風邪が揺らす草の音、木々の葉音。
時折、鳥のさえずり。
喧騒から離れていたい者には、ちょうどいい心地よさがあった。
この中にあっては、なにもしていなくても楽しいのだろう。
手にしている本のページはなかなか進んでいない。
静寂を楽しむ、といったところか。
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