社会福祉を考える会 ユメこえ

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ON HOME23

2010-09-03 20:12:29 | ON HOME
脈をとったり、聴診器で心音を確認したり、

ひと通りの診察をすすめる。

「一過性のものでしょう。

今まず一度、その後5時間置きに飲ませて下さい。」

カバンから、薬を取り出す。

「はじめは熱を下げる必要があります。

ずっと冷やして下さい。

汗をかきはじめたら、あたたかくしてください。」

また変わったことがあったら、連絡を。

そう話し、部屋を出た。

自分の体調も省みないほど、

それほどに、

夢中になれるものなのか。

自分にはそんなマネは出来ない。

そのまっすぐな瞳に、

まっすぐな心に、

自分も映して欲しいと願うのは、わがままなのだろう。

もう共にいられる時間は、わずか。

それは出逢ったころから判っていた。

自分は大陸へ行かなくてはならない。

ここで、いつまでもふたりで、いる訳にはいかない。

出逢ったころから判っていた。

深く知り合えば、

その別れは尚つらくなる事は。

だから、あえて接点をあわさないようにしていた。

しかし、

自分が予想しないところから、接点が生じた。

あの木の下で。

偶然の出逢い。

その時には、もう流れに逆らえなくなっていた。

声をかけたのは自分。

引き寄せたのは自分。

そう、

その時には手遅れになっていた。

ふたりは出逢うべくして、出逢った。

額にのせたタオルが、すぐにあたたまる。

水で冷やしては、顔や首すじをふいて、熱をとる。

まだ、薬も効かない。

つらそうな息遣いが続く。

ただ見守るしかない。



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