社会福祉を考える会 ユメこえ

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ON HOME21

2010-08-14 06:06:07 | ON HOME
こんなに早くに、自分よりも先に来ていることなど、

かつてなかった。

講義もあるだろうに。

呼びかけに、やっと目を開く。

「待ちきれなくて、」

ひと声。

その響きに、疲れが読めた。

手を取ろうと差し出す。

「平気ですよ。」

気遣ったその手を取らない。

しかし、

その言葉通りに、

真に受けるほど、彼は鈍感ではない。

目をみつめる。

そらさせない。

「何も聞く前に自分から、平気という人に、

ホントに平気な人はいないもんだよ。」

頬を彼の手が触れる。

手に、

すぐ体温が伝わる。

熱い。

予想以上に。

「おい、」

「平気です、やらせて下さい。」

次の言葉をさえぎるように、すぐさま言葉を返す。

それを許すことは、彼には出来ない。

その靴、

その服、

見るほどに一晩中、ホームズは休まずに、

街中を歩いていた事が分かる。

昨夜、ずっと薬草を探し続けた。

それをすぐに見破られる。

夢中になりすぎるのも、問題ということだ。

「まず休む事が、お前には必要だ。」

逆らえない。

強い調子で言う。

観念したように目を閉じた。

同時に膝が崩れる。

「ホームズ!」

その体を支える。

強い意思で体を動かしていたのだろう。

それを絶たれ、昨夜からの疲れが体を襲い、

倒れこんでしまった。



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