なにかを思いついたように、モリアーティは机の横を探る。
そこから、ひとつのバイオリンを取り出した。
ホームズの眠るベットの横へ座り、軽く音を出す。
高くて、澄んだ音。
それを確かめると、やわらかな音を続けた。
自分に出来ることで、彼を元気づける事は、
これくらいなのではと、思ったからだ。
聴こえているのか、いないのか、
その答えがなくても良かった。
少しでも、バイオリンの音色が気分を落ち着かせ、
良くしてくれるならと。
それはホームズの事だけでなく、見守る彼自身のことでも。
医者のいう通りに薬を飲ませ、経過を看ること半日。
だいぶ、様子が落ち着いてきた。
はじめの頃よりは、いくぶん熱も下がりはじめた。
少しづつ、汗ばむようになった。
回復に向かっているが、安心とまでは言えない。
まだ目を覚まさない。
体を拭いてやりながら、
「ホームズ、」
名前を呼ぶ。
こたえは返らない。
そんなことは分かっている。
このまま、夜明けまで目を覚ますことがなければ、
何も告げられないままになる。
それは自分にとっても、彼にとっても、
辛いことだ。
開かないその目を、ただみつめる。
伝えておきたい。
本当は、自分の口から話したいが、
聞ける状態でもない。
立ち上がると、デスクの引き出しから、便箋を取り出す。
ペンを手に、
時折、眠るその姿に視線を送りながら、
手紙を書いた。
そこから、ひとつのバイオリンを取り出した。
ホームズの眠るベットの横へ座り、軽く音を出す。
高くて、澄んだ音。
それを確かめると、やわらかな音を続けた。
自分に出来ることで、彼を元気づける事は、
これくらいなのではと、思ったからだ。
聴こえているのか、いないのか、
その答えがなくても良かった。
少しでも、バイオリンの音色が気分を落ち着かせ、
良くしてくれるならと。
それはホームズの事だけでなく、見守る彼自身のことでも。
医者のいう通りに薬を飲ませ、経過を看ること半日。
だいぶ、様子が落ち着いてきた。
はじめの頃よりは、いくぶん熱も下がりはじめた。
少しづつ、汗ばむようになった。
回復に向かっているが、安心とまでは言えない。
まだ目を覚まさない。
体を拭いてやりながら、
「ホームズ、」
名前を呼ぶ。
こたえは返らない。
そんなことは分かっている。
このまま、夜明けまで目を覚ますことがなければ、
何も告げられないままになる。
それは自分にとっても、彼にとっても、
辛いことだ。
開かないその目を、ただみつめる。
伝えておきたい。
本当は、自分の口から話したいが、
聞ける状態でもない。
立ち上がると、デスクの引き出しから、便箋を取り出す。
ペンを手に、
時折、眠るその姿に視線を送りながら、
手紙を書いた。
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