3月14日(日曜日)
ガタガタと部屋を空けて誰か入ってきた。「風呂に入ったか?」の声で目が覚めた。時計を見るとまだ5時過ぎだ。やっこさんは昨夜しっかり飲んだので、風呂は朝に入ると言っていた。
もう少し寝させてくれ!
しばらくすると幹事がやってきた。「朝食は8時からで、記念撮影するのでロビーに8時半集合」。関東から参加のY君が加賀駅を9時過ぎに乗るため早い集合だ。
朝風呂に入り食事をした。ここのホテルの朝食は、食べきれないくらい種類があり、立派だった。
いつも沖縄の安いホテルに泊まっているのでなおさらだ。
食事を済ませ記念撮影をした。玄関には、あの鳥取のお嬢さんがいた。
「青谷だってね」「ハイ!」「私は泊だで」。そばにいた者が「何でこんな所におっだいな」と尋ねると「就職で来ました」の返事が返ってきた。皆で「頑張んなれ」と声をかけ、握手をしてホテルを後にした。
ホテルから5台の車が連なり、Y君を見送るために加賀駅へ行った。
「また会おう、幹事ヨロシク」とそれぞれが声をかけた。
幹事の車が先導して、小松市にある「日本自動車博物館」へ行った。
ここには長男が石川にいるとき案内してくれたので2回目になる。65歳以上はシニア割引があり、1,000円の3割引きで700円で見学できた。懐かしい車が3階までぎっしり並んでいる。40年前に初めて買ったカローラが、特に懐かしい。
その数500台。1時間ほど見学した。駐車場には全国あちこちのナンバーがずらり。石川ナンバーの方が少ない。次は今まで3度ほど行ったことのある金沢兼六園へ行くと言うので、遠慮してS君と二人で別行動した。ここで皆とさよなら~。
S君のナビで、芦原温泉に向かって一般道を走った。目的地は越前海岸だ。
芦原温泉は右、越前海岸は左の看板に従い海岸沿いを走った。正午を過ぎているので、どこかで昼飯をとキョロキョロした。創作料理の文字が目に入った。海の宿 山根屋の看板だ。大きな道から、浜の小さな道に入っていった。浜のそばには大きな駐車場があり、食べる前に砂浜を歩いた。
女性がいたので、S君がカメラのシャッターを押してと頼み一枚撮った。鷹巣海岸は広く、夏には海水浴客でにぎわうことだろう。
山根屋に行くと和風の立派な店だった。果たして昼食が食べれるか聞きに行った。二人だが食べれるかどうか聞いてみた。OKの返事があり店に入った。昼膳は創作磯料理で、三つのコースがあり3,800円、5,500円、7,500円。S君も私も少食なので、一番安い3,800円にした。部屋に案内されると、何十畳もあるでかい部屋だった。そこの中央に二人の席が設けてあった。山根屋には、決まったお品書はない。そのわけは、毎朝、水揚げされたお魚を直接仕入れた食材をもとに、アレンジし提供しているためだ。さてどんな料理が出てくるやら楽しみだ。S君は私に遠慮して、ビールが飲みたいのだが我慢をしていた。それを察知したので、遠慮せずに飲んでくれと言ってやった。ここは運転手の身なので、ウーロン茶でガマンせねばなるまい。出てきたビールは大瓶だった。全部飲めそうでもないようなことを言っていたが、何のことはない料理が美味ければ酒もすすむ。追加したのは言うまでない。
料理の最初はグーではなく「梅貝」だった。美味い。
続いて「富山の寒ぶりの煮たやつ」。これも美味い。
次は「4色の刺身」。富山の寒ブリ、ヒラメ、ヤリイカ、甘エビどれも美味い。
カレイの姿てんぷら。これも骨まで全部食べれた。美味い。
料理の最後は、”タラは北海道”の煮たやつだった。出汁まで飲み干した。
この他にご飯、汁、漬物。デザートはコーヒーと黄な粉をまぶしたアイスクリームが出てきた。食べ終わると係りの方が、「ゆっくりなさってください。空いている部屋は他にありますので」と嬉しいことを言ってくれた。少しばかり横になったが、余りゆっくりすると帰りの名神が混むのは目に見えている。ほどほどで腰を上げたが、宿を出るときは二人の方に見送ってもらった。「宿泊も出来ますので、是非おいでください」「ハイ!有難う!」
越前海岸は初めてだったが、奇岩が次から次に現れる。想像していたよりも素晴らしい。思わず見とれそうだ。
写真を撮りたいのだが、展望台のような駐車スペースが無い。運転手はつらい。絶景がこれでもかと何キロも続く。S君は前に職場で旅行に来たそうで、そのとき道の駅「河野」で買って帰ったカレイの一夜干しがとても美味しく、家族から買ってきてと頼まれていた。
睡眠不足で生あくびが何回も出てくる。眠たいぞ。居眠り運転をしかねないので、海産物を売っているところに立ち寄り一休みをした。シャキッとするためドリンクを買って飲んだ。土産に焼きサバ寿司1本買った。S君は前日に買っていたそうで、アジやらサバの干物を買っていた。河野地区に来たので、道の駅「河野」はどこかと気をつけていたが見当たらない。
食事をした山根屋で、地図を見たとき確かに”道の駅「河野」”があった。どこだどこだと言っているうちに、敦賀まで来てしまった。残念だったねS君。(帰宅して調べると、道の駅は旧道沿いにあり、新しく出来た海岸道路を通ってはダメだった。いくらキョロキョロしても見つからないはずだ)。
高速に入ったのは3時半くらいだっただろうか。栗東あたりで混みだした。京都南ICで出て、S君を京都駅で降ろした。5時を回っていた。二日間とも好天に恵まれ、しかも気温も高く何も言うことはない。日頃の皆の行いが良かった証だ。無事に家に帰りほっとした。走行距離560キロ。鳥取へ帰省する距離と同じだ。山ちゃん東洋さん幹事ご苦労様。
携帯には金沢見学した倉敷の友から、「家に着いたよ有難う」のメールが来ていた。大阪から来たK君の車で、サバ街道を通って新大阪の駅まで送ってもらったそうだが、それにしても早く着いたものだ。疲れと睡眠不足で、早々と9時には寝ていた。深夜目が覚めると山ちゃんから、これまたお疲れさんのメールが来ていた。何をおっしゃいますやらそっちこそ。
【お店メモ】
創作磯料理(株)海の宿 山根屋
〒910-3378 福井市免鳥町35-111
電話0776-86-1727