「さて、じゃあとりあえず痛い所を処置しちゃいましょう!」
と処置に取り掛かる歯医者さん。
「ちょっと痛いかもしれませんけど、頑張って!👊😆🎵」
といらぬ励ましをもらっていざ処置へ。
化膿した場所の処置と言ったらアレですよ、
「切って」「膿を出して」「洗う」
外科に付いてると場所こそ違うけど
粉瘤(アテロームなんて言い方もします)という
ニキビの親分というか、オデキの兄貴分みたいなヤツを処置することがあるのだが
膿み膿みに化膿した患部に局所麻酔を施し
ザックリとメスで切開をし、
膿とか内容物(皮脂のカスとか)を絞り出したり
「鋭匙(えいひ)」という小さいスプーンみたいな器具で掻き出したりして
最後は生理食塩水ジャージャー洗って
傷口が塞がるとまた膿が溜まっちゃうので
小さいガーゼを突っ込んで傷が塞がるのを防いで
大きいガーゼでバーン!と保護して終わり。
また明日、処置しに来てね、という流れ。
この処置が、なにせ化膿してる上に
中に溜まっているものは古い皮脂とか垢。
臭いがけっこうクるのだが
この処置の介助に付くのが嫌いではないゆりぢる。
「おおぉぉぉ~🎵出る出る✨」って感じでちょっと楽しい。
その間、患者さんはもちろん、悶絶。
いや、意外とケロッとしてる人もいるけども
まぁ、場所にもよるのかもしれないが。
そんな内部事情を知ってるだけに
これから我が口腔内で行われることが容易に想像出来る。
どうやら麻酔はしないらしい。
先ほどのチクチク刺した器具だろうか
チクチク、チクチク~チクチク~
とさっきの5倍ぐらいのチクチク攻撃。
途中若干「ザクッ」とした感触もあり
さすがに痛みに「ンゲッ!」と呻くゆりぢる。
「あ~、痛いよね~ごめんね~」
と口先の謝罪を述べる歯医者。
それなのに
「この程度の痛みに我慢出来なくてすまん😢⤵️⤵️」という気持ちになってしまうのはなぜだろうか。
今まで外科で処置に立ち会った患者たちへの贖罪か。
「はい、じゃああとは消毒しておしまいね」と言いながら
プシャ~~!と水(?)で洗って終了。
「さて。」と居住まいを正す歯医者。
「また1週間後に様子を見せに来てもらうんですけども」
「親知らずは抜かなきゃダメです」
「この親知らずは取っておいてもいいことないです。むしろ悪でしかない」
「上のはそんなに難しくないです。クリニックでも大丈夫です」
「ただ、この下のはねぇ~右側のは最初にCTさえ撮って確認出来ればこちらでも抜けます」
ここでビビるゆりぢる
私「ええっ?ここでですか?ガッツリ横向きで潜ってるんですよね?」
私「そしたらセデーション(鎮静)でお願いしたいんですけど」
歯「あぁ~(察し)だったらもっと大きい病院で一気に全部抜くというのも方法ですね」
歯「左下のはそれなりに大変だと思うので」
歯「それだったら市大病院とかA病院とかB病院とかでも抜けるので紹介状書きますよ」
ちょちょちょっっ…!
せっかち!
私「あの、あの、あのあの、とりあえずこの炎症が落ち着いて、時期を見て抜歯、でもいいですか?」
歯「あぁ!もちろん!入院も必要になるでしょうし」
私「実は私、昔A病院で働いてまして…その病棟に口腔外科も入ってたんですよね…」
私「全麻で親知らず4本抜くとかヒエェェ…なんて言ってたんですよね…(遠い目)」
歯(苦笑い)
とりあえず、本日の処置は終了し
あとは抗生剤と痛み止めを処方してもらい帰宅の途に就いた。
終わると痛みはすっかり治まり
腫れていた違和感もスッキリ。
「おおぉぉ~処置してくれてありがとう✨」と素直に感謝出来る。
勇気を出して受診した自分を誉めたい。
だが、また新しい勇気を溜めねばならない。
今回のイレギュラーな受診のために出しきってしまった勇気を。
親知らず抜歯という、ラスボスに対峙するための勇気を。