ささやんの週刊X曜日

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

かき捨てにできない恥も

2017-09-03 15:01:45 | 日記
旅の恥はかき捨てというが、旅とは違うこの長い人生、かき捨てにできな
い恥もある。恥を重ね、他人に迷惑をかけながら、人はこの社会でひとか
どの人物に成り上がる。人畜無害のままでいたのでは、人は「その他大勢」
から抜け出すことはできない。

問題なのは、ひとかどの人間に成り上がったとき、それまでに重ねた数々
の恥が、しっぺ返しさながら、生き返ったゾンビのように立ち現れること
である。
葬ったはずの恥多き過去が、さながら亡霊のようによみがえる例は、枚挙
に暇(いとま)がない。1ヶ月ほど前におこなわれた内閣改造人事でも、
一億総活躍担当相に抜擢された松山政司氏は、「『女体盛り』というワイ
セツ行為に興じた」過去を暴かれ、防衛相に返り咲いた小野寺五典氏は、
愛人を作ったほか、2013年に中国の潜水艦が沖縄の接続水域内に侵入した
際に、この事件の10時間後に和風キャバクラに長時間入り浸るなど、問題
行動を起こした過去が蒸し返された。また、「人づくり改革」担当相となっ
た茂木敏充氏は、女性記者にセクハラを行った過去が蒸し返された。

かき捨てたはずの恥が衆目にさらされ、それでチャラにされるのだった
ら、まだ良いとしなければならない。恥ずべき過去がツケの精算を要求し
てきて、せっかく苦労して成り上がったというのに、恥の上塗りを強いら
れることがあるから、事は厄介だ。

たとえば森友学園問題。安倍首相はさまざまな人脈の助けで自民党総裁の
地位にありついたが、その人脈に極右団体「日本会議」が含まれていたこ
とがこの問題の震源である。問題になってから「そんな奴、私は知らない
」と言い張っても、この裏の人脈は(ギリシア神話に出てくる復讐の女神
エリニュスのように)執拗に彼にまといついて離れない。

きょう見かけたのは、小池東京都知事にまつわるネット記事である。小池
都知事が、関東大震災で虐殺された朝鮮人犠牲者への追悼メッセージを拒
否したことが、各方面に波紋を広げている。政治ネタ暴露サイト「リテラ
」によれば、彼女のこの政治姿勢は、在特会に連なる極右ヘイト集団「日
本女性の会 そよ風」との腐れ縁から出ているという。この腐れ縁も、か
き捨てにできない恥の一例だろう。次々と暴かれるこうした過去の(現在
にも生き続ける)人脈によって、彼女の(リベラル然とした)化けの皮が
剥がれるのも、時間の問題なのかも。

コメント
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