ささやんの天邪鬼 ほぼ隔日刊

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

真夏の車椅子散歩

2019-07-31 14:02:54 | 日記
いや〜、暑い、そして、熱い!
きょうは電動車椅子でお散歩の日だった。朝9時過ぎに外に出ると、あたりはすでに真夏の日差しがじりじりと照りつけ、途轍もなく暑い。影のない舗道にWhill を走らせていると、暑さの身体感覚がそのうち「熱い」に変わってくる。

身体が茹(う)だりそうになったところで、ドラックストア「ウェルシア」に涼みがてら入店し、買い物をした。カナダドライ・ジンジャエール500mlのペットボトルを3本。これは焼酎を割るためである。

店を出て、ふたたび猛暑の中へ。古びた舗道には、アスファルトの割れ目から、ところどころ枯れかけたぺんぺん草が顔を出していた。車椅子に座る私の目線には、炎天下の夏草が何やら侘しげに見える。
熱中症にやられるといけないので、早々に帰宅した。真夏の炎天下に身をおいたのは、何年ぶりだろうか。

これから当分の間は、OTさんの付き添いはお休みにしてもらうことにした。私の車椅子のお散歩も、しばらくはお休みである。真夏の風情を味わうのも悪くはないが、年寄りの身体には、これほど猛烈な暑気となると、やはり厳しいものがある。炎天下のお散歩は、気晴らしのつもりが「年寄りの冷水」になりかねない。まあ、君子危うきに近寄らず、といったところかな。べつに「君子」ではないけれど。
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「京アニ」放火事件 その犯行の動機は

2019-07-30 15:29:38 | 日記
「京アニ」の放火事件からもうすぐ2週間がたつ。犯人は捕まったが、犯行の動機はまだ判っていない。犯人は青葉真司41歳。全身やけどの重篤な状態で、取り調べができる状況ではないという。私は犯人の名前のほか、捕捉の際に「小説をパクられた」と叫んでいたこと以外、この男についてはほとんど何も知らない。だがこれだけの情報があれば、それで充分である。無茶を承知で、この男の犯行動機について考えてみたい。

一つ確かなこととして言えるのは、この男が「京アニ」作品の熱心なマニアだったことである。熱狂ぶりが昂じれば、当然、作品のイメージは男の意識の内奥にこびりつき、その奥底へと沈殿する。意識の古層として積み重なったそのイメージは、やがて、自分本来のものなのか、アニメを見ることで他所から得たものなのか、彼自身にも見分けがつかなくなる。

男は小説を書いていたという。そのような意識状態のまま、彼が小説執筆に臨めばどうなるかは、大方想像がつく。彼がキーボードを打ち、文字を連ねて紡ぎ出すイメージは、「京アニ」作品のそれと酷似したものになる可能性が大きい。実際、そうだったのではないか。

男は小説を書き終える。そしてもう一度、「京アニ」の作品を見る。男の目には、「京アニ」の作品世界が、自分の小説空間のイメージに酷似したものに映るはずだ。思い込みが激しく、被害妄想の傾向を持った心的形質の彼は、こう感じるに違いない。「おお‼『京アニ』のアニメは、俺の小説をパクっている!こいつはけしからん!」

直情径行の彼は、迷わずにさいたま市の自分のアパートを出て、そのまま新幹線に乗り、宇治市の「京アニ」本社へと向かう。彼は同市内のホームセンターで(ガソリンを入れる)携行缶や台車、チャッカマンなどを買う。

あの酷たらしい放火事件は、そんなふうにして実行されたのではないか。ーーもとよりこれは、一つの「仮説」に過ぎないのだが。
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渡りに船か 北朝鮮

2019-07-29 11:49:08 | 日記
北の国から新しい便りが届いた。以下の通りである。

「北朝鮮の対南宣伝サイト『わが民族同士』は28日の論評で、日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄を韓国に要求した。北朝鮮は、歴史問題が通商摩擦に拡大した日韓の関係悪化を日米韓の軍事協力弱体化の好機とみて、引き続き協定破棄を文在寅政権に要求するとみられる。」
              (日本経済新聞7月28日配信)

日本と韓国とのあいだには「深くて暗い河」がある。男と女の諍(いさか)いにも似た、修復不能の啀(いが)み合い、ーー日本と韓国の反目につけ込んで、北朝鮮が日韓軍事同盟をつぶしにかかったということである。

北朝鮮は先ごろ短距離ミサイルをぶっ放した。これは米韓合同軍事演習の中止を意図したものであり、牽制のための示威行動だった。米韓軍事同盟をつぶす目的があったとみてよい。

米韓軍事同盟をつぶし、日韓軍事同盟をつぶす。ーーつまり北朝鮮は、米・日・韓の軍事同盟をつぶそうとしているのだ。

米・日・韓・軍事同盟の崩壊によって、大きな打撃を受けるのは、米国である。このトライアングルが機能するかどうかによって、北朝鮮に対する軍事的プレッシャーは格段に違ってくる。先日(24日)、米国はボルトン大統領補佐官を韓国に派遣したが、これは、3国軍事同盟からの韓国の離反を食い止めるためとみることができる。

韓国の離反によって打撃を受けるのは、米国だけではない。日本も同様である。とすれば、米国と同様、日本も韓国に対して、(離反を食い止めるための)懐柔工作に取りかかる必要があるのではないか。

離反を食い止めるための効果的な手立ては、何か。それは、(韓国に対して仕掛けた)輸出規制の撤回である。これはだれの目にも明らかである。

輸出規制を撤回し、関係悪化の修復をはかる。利害の損得勘定をすれば、それがいちばん良いに決まっている。感情が作った「深くて暗い河」を、理性の合理的考量によって突き崩し、両国のあいだに和解の架け橋を渡すこと。それは決して不可能ではない。

きのうの本ブログでは、日本と韓国との関係修復は不可能にみえたが、きょうの考察からすれば、関係修復は焦眉の急であり、それは決して不可能ではないと思える。日本と韓国のあいだに横たわる「深くて暗い河」。この河を渡る「渡し船」を差し出したのは、ほかならぬ北朝鮮である。この「渡りに船」の構図には、ぞっとするようなブラック・ジョークの趣きがある。なんちゃって。
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日韓という救いがたい現実

2019-07-28 14:06:35 | 日記
日韓問題は難しい。日本政府は先ごろ韓国に対して、半導体材料の輸出規制に踏み切った。これに激しく反発し、世界貿易機関(WTO)に問題を持ち込む韓国政府。韓国政府は日本の輸出規制措置を不当としてこれを批判し、日韓の応酬はエンドレスの様相を呈している。

さてこの問題に対して、新聞各紙はどのような見解を示しているだろうか。
朝日新聞は7月26日付の社説《日韓の対立 舌戦より理性の外交を》の中で、次のように主張している。
「韓国だけでなく日本経済の足も引っ張りかねないうえ、日韓関係を正す確たる展望もない。日本政府は貿易をめぐる一連の措置を取り下げるべきだ。」

たしかに、韓国に対する輸出規制措置は韓国経済にダメージを与えるが、このダメージはブーメランとなって日本経済に返ってくる。安価な韓国製半導体が手に入らなくなれば、これを部品として使用する日本企業も、また、この企業の商品を購入する消費者も、それなりに割を食うことになる。

それによって日韓関係が正常化すれば話は別だが、その展望も見えない。だから「日本政府は貿易をめぐる一連の措置を取り下げるべきだ」と朝日は主張するのだが、では、仮に日本政府が朝日のこの提言に従い、一連の輸出規制措置を取り下げたと仮定しよう。そのとき、事態は一体どうなるのだろうか。それに応じて韓国政府は、元徴用工をめぐる一連の判決と、それにともなう諸問題をチャラにするだろうか。韓国政府のこれまでの頑なな姿勢を顧みれば、それはまったく期待できない。期待できないことが明らかだから、日本政府は、一連の輸出規制措置を取り下げようとはしないだろう。

つまり、朝日新聞の提言によって事態が改善することは望めず、これが問題解決のとば口にすらならないことは明らかである。

では毎日新聞はどうか。7月26日付の社説《日韓がWTOで応酬 この延長上に出口はない》は次のように述べている。
「報復の連鎖に突入すると問題はさらにこじれる。いくら対立しても、どこかで出口を探すように努めなければ外交とは言えまい。日韓は対話を通じて歩み寄りを図るべきだ。」

けれども、日韓両政府の間には、理性的な「対話」が成り立たない現状がある。この現状の存在を、毎日新聞はどう考えているのだろうか。毎日の社説は、次のように具体的な提言を行っている。
「韓国も対応を再考してほしい。
元徴用工の問題を巡っては、日韓請求権協定に基づき日本が要請した仲裁委員会の設置に応じていない。WTO協定という国際法の順守を訴えるのなら、元徴用工の問題でも国際法を踏まえて対応すべきだ。」

韓国政府がこの提言に従い、「日本が要請した仲裁委員会の設置に応じ」ることは、だが、200パーセントないだろう。頑なに自己の主張を固持する相手とは、どんな「対話」も成り立たない。

対話が成り立たず、歩み寄りがまったく期待できない現状、ーーどうしようもなく救いがたい、出口なしの現状を前にすれば、産経新聞のように、こう言いたくもなる。
「韓国がなすべきは、自らの輸出管理体制の不備を改めると同時に、日本の対韓不信を拭う行動を示すことだ。その意思も見せないのが残念である。」(7月26日《WTOで日韓応酬 情報戦への備えを万全に》)

「残念だ」と言ったところでどうにもならないのが「残念」である。やれやれ。
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北からのメッセージ

2019-07-27 11:36:54 | 日記
北朝鮮が先日ぶっ放した「飛翔体」の、そのあらましが明らかになった。NHKは次のように伝えている。

「北朝鮮は、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長立ち会いのもと25日、新型の戦術誘導兵器を発射したと発表し、キム委員長は、『低空で飛行する特徴があり、防御が容易でない』と性能を誇示しました。」
              (NHK NEWS WEB 7月27日配信)

北朝鮮のこの発表にもとづいて、日本の防衛省は、この飛翔体が「比較的低空を飛行し、軌道が変則的で、従来の弾道ミサイルのものとは異なっている」との分析を公表したという。何のことはない、これは「分析」などと言えるものではなく、北朝鮮の発表そのままの、いわば受け売りである。

米韓の「分析」は、日本のそれとは一味違っている。
「飛行距離について、韓国国防省の関係者はアメリカ軍と共同で分析した結果として、およそ600キロだったとしています。」

新型ミサイルの飛行距離はおよそ600キロ、ーーここには北朝鮮側の重要なメッセージが含まれている。この新兵器は日本をターゲットにするものではなく、ましてやアメリカをターゲットにするものでもなく、もっぱら韓国をターゲットにしたものだということである。

ということは、北朝鮮がこの新型ミサイルを発射したのは、来るべきアメリカとの非核化交渉を意識してのことではないということである。北朝鮮による今回のミサイル発射は、あくまでも米韓合同軍事演習を意識したものであり、これを牽制するための示威行動なのである。

この示威行動は、しかしさらに、日本に対する「寸止め」の意味も含んでいる。北朝鮮がこのミサイルの飛行距離を1000キロまで延ばすことができれば、その射程は日本にまで及ぶことになる。しかも、このミサイルは「低空で飛行する特徴があり、防御が容易でない」ことから、(大枚をはたいてアメリカから買った)イージス・アショアでも迎撃できない恐れがある。
NHKはこう伝えている。
「防衛省は、飛しょう体は日本に届く可能性があり、迎撃が困難なことも予想されることから、アメリカとも連携しながら、今後、対処方法を検討していく方針です。」

この新型兵器に対処するため、日本はさらに高価な新型迎撃装置を、アメリカから買わざるを得ないハメになるのだろうか。商売上手の武器商人・トランプ米大統領は、この新型ミサイルの登場を、さぞ歓迎していることだろう。アメリカは日本に高額の武器を売りつけるため、北朝鮮とグルになって「マッチ・ポンプ」の構図を作り出しているようにみえる。ーーそう邪推するのは、天邪鬼爺だけだろうか。
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