次の記事を読んで、私は最初、その意味が理解できなかった。
トランプ米大統領は29日、停滞している北朝鮮の非核化交渉に関連して「北
朝鮮は中国からとてつもない圧力を受けている」として中国を非難する声明
を発表、激しさを増す米中貿易戦争が背景にあると指摘した。6月の米朝首
脳会談を受けて中止している米韓合同軍事演習を再開する場合は「かつてな
く大規模」になるとも述べ、北朝鮮をけん制した。
(日本経済新聞 8月30日配信)
トランプ大統領は「北朝鮮は中国からとてつもない圧力を受けている」と述
べたと言うが、この「圧力」の意味を、私は最初、「(北に対する)経済制
裁の圧力」と取ったのだ。中国が北朝鮮に対して「とてつもない圧力」を加
えているのだとしたら、その中国をトランプ大統領はなぜ「非難」するのか。
対北制裁に協力する中国のそういう態度は、アメリカにとってはむしろ歓迎
すべきではないのか。
ところがトランプ大統領は、中国が北朝鮮に対して「とてつもない圧力」を
加えていると「非難」している。これは一体どうしたことなのか?!
トランプ大統領が北に対する「圧力」を「非難」するからには、それは北の
非核化を妨げるような「圧力」であるに違いない・・・。
ここまで考えて、私は先日書いた本ブログの記事を思い出した。
「金正恩に非核化の意思があっても、それを許さない軍部の勢力が厳として
存在する。トランプ大統領は(金英哲(キムヨンチョル)労働党副委員長か
らの書簡によって)北朝鮮内部のこうしたきびしい現状を突きつけられた」。
そう私は書いたのだった(8月29日《米朝交渉 round 12》)。
非核化を許さない北朝鮮軍部の存在。その背後に、中国からの「とてつもな
い圧力」が働いている、ーートランプ大統領はそうみているのだろう。金英
哲労働党副委員長からの書簡をうけ、トランプ大統領はポンペオ国務大臣に
訪朝を取りやめるよう指示するとともに、中止している米韓合同軍事演習の、
その再開の可能性に言及し、(上の記事にあるように)「もし演習を再開し
たら、かつてないほどの大きな規模になるだろう」と牽制した。
北の非核化を阻んでいるのが北の軍部であれば、当面の敵はこの軍部だとい
うことになり、対決の形は軍事衝突しかない。この衝突が背後の中国を巻き
込み、大規模な戦争にならなければよいが、さて、どうなりますことやら。
いくら単細胞のトランプでも、中国と事を構えるほどの度胸はないだろう、
ーー北の軍幹部はそう高をくくっているのかも知れないが、トランプ大統
領の背後にも、(高額軍備品の大量消費を望む)軍事ビジネスの業界が控
えていることを忘れてはいけない。
トランプ米大統領は29日、停滞している北朝鮮の非核化交渉に関連して「北
朝鮮は中国からとてつもない圧力を受けている」として中国を非難する声明
を発表、激しさを増す米中貿易戦争が背景にあると指摘した。6月の米朝首
脳会談を受けて中止している米韓合同軍事演習を再開する場合は「かつてな
く大規模」になるとも述べ、北朝鮮をけん制した。
(日本経済新聞 8月30日配信)
トランプ大統領は「北朝鮮は中国からとてつもない圧力を受けている」と述
べたと言うが、この「圧力」の意味を、私は最初、「(北に対する)経済制
裁の圧力」と取ったのだ。中国が北朝鮮に対して「とてつもない圧力」を加
えているのだとしたら、その中国をトランプ大統領はなぜ「非難」するのか。
対北制裁に協力する中国のそういう態度は、アメリカにとってはむしろ歓迎
すべきではないのか。
ところがトランプ大統領は、中国が北朝鮮に対して「とてつもない圧力」を
加えていると「非難」している。これは一体どうしたことなのか?!
トランプ大統領が北に対する「圧力」を「非難」するからには、それは北の
非核化を妨げるような「圧力」であるに違いない・・・。
ここまで考えて、私は先日書いた本ブログの記事を思い出した。
「金正恩に非核化の意思があっても、それを許さない軍部の勢力が厳として
存在する。トランプ大統領は(金英哲(キムヨンチョル)労働党副委員長か
らの書簡によって)北朝鮮内部のこうしたきびしい現状を突きつけられた」。
そう私は書いたのだった(8月29日《米朝交渉 round 12》)。
非核化を許さない北朝鮮軍部の存在。その背後に、中国からの「とてつもな
い圧力」が働いている、ーートランプ大統領はそうみているのだろう。金英
哲労働党副委員長からの書簡をうけ、トランプ大統領はポンペオ国務大臣に
訪朝を取りやめるよう指示するとともに、中止している米韓合同軍事演習の、
その再開の可能性に言及し、(上の記事にあるように)「もし演習を再開し
たら、かつてないほどの大きな規模になるだろう」と牽制した。
北の非核化を阻んでいるのが北の軍部であれば、当面の敵はこの軍部だとい
うことになり、対決の形は軍事衝突しかない。この衝突が背後の中国を巻き
込み、大規模な戦争にならなければよいが、さて、どうなりますことやら。
いくら単細胞のトランプでも、中国と事を構えるほどの度胸はないだろう、
ーー北の軍幹部はそう高をくくっているのかも知れないが、トランプ大統
領の背後にも、(高額軍備品の大量消費を望む)軍事ビジネスの業界が控
えていることを忘れてはいけない。