1人当り10万円のコロナ給付金。
そのうち5万円分をクーポン配布にするため、事務経費が967億円も余計にかかるという。
アホ以外の何ものでもない。
これはたとえば、事務作業をデジタル化するために、
紙媒体の通知文書を何百枚もたれ流す愚に似ている。
あるいは平和を築くために、いくつもの戦争を重ねるといった
愚もある。
ブラック・ジョークのような
こういう愚行は、歴史と社会の至る所に見られるものだ。
ところで、米バイデン政権は、
中国の人権問題に抗議するため、
来年開催の北京五輪に対して「外交ボイコット」を
行う予定だという。
オーストラリアも米国に追随し、
北京五輪に対して「外交ボイコット」を行う予定だ、
とモリソン首相が発表した。
日本の岸田首相も、結局はこれに同調するのだろう。
ただ、岸田首相は激しく逡巡している。
キシダ君の中のグズ男が頭をもたげ始めた。
「レアメタルの禁輸」などの報復措置を恐れるからで、
これはまあ一国を預かる身ともなれば、
当然の配慮と言えなくもない。
来るべき冬季五輪の中国での開催をめぐって、西側諸国が火花を散らしている。
平和の祭典が紛争を招来する、ーーこれもブラック・ジョークのような皮肉と言えるだろう。
もっとも、国家間の諍いが爆弾などのハードな武器によって
戦われるのではなく、
「外交ボイコット」や「レアメタルの禁輸」といった
ソフトな手段によって行われるのは、
平和の祭典にふさわしい、
まあまあの(さほど悪くない)話なのかもしれない。