7月、今上陛下のお言葉を頂戴させていただいてより以降、「生前ご譲位」についての論調が、各マスメディアを通じ広がっている。
そのなかで、「男系・女系(女性)天皇の是非を国民に問ふアンケート調査」と言われるようなものを公募したり、その結果を公表したりする映像や記事をよくみかける。
まさに今上陛下のわれわれ国(臣)民に対するお気持ちを考えたならば、このようなアンケート調査が必要なのかしら?という想いを抱くとともに、マスコミの皇室に対する軽視の念が顕されているようにも感じて仕方がない。
問う方も問う方なら、答える方も答える方と思わざるを得ない感じではあるが、しかし、元来、皇室蔑視の人々(いわゆる極佐)の意見からすれば、皇系断絶をも引き起こしかねない女系天皇有りきの意思を示すことは明確なことであり、そうしたことに危機感を抱く尊皇派の人たちからすれば、もちろん男系継承という意思を示さねばならず、心なしにもマスメディアが誘導するアンケート調査に答えているという風にもうかがえる。
しかし、男系であろうと女系であろうと、それを国(臣)民にお示しになられるのは、天皇陛下ただおひとりである、と筆者は理解している立場であるから、決してこのような世論調査に答ることはしない。
そして、今回の陛下のお気持ちというのは、あくまで「生前ご譲位」に対する国民の理解を、お深めになろうとするものであられたはず。ところが、マスメディアは陛下のお言葉を利用し、全く関係のないところにまで問題を広げているとしか思えず、そのことについて筆者は、マスメディアや世論調査会社などの陛下に対する行動をみて、『頭が高い!控えおろう!』と言いくなる。
国(臣)民ひとりひとりの思想の自由や、現在おかれている立場、というものを考慮した場合において、男系継承有りき、女系または女性天皇有りきと考えるに至ることについて、何ら違和感をもつこともないが、公の電波もしくは公の通信システムを通じて国(臣)民の意識を調査し、その結果を公表するなど言語道断であると言わざるを得ず、国(臣)民に対して必ずそのどちらかの意見に達しなければならない、という半押し付けがましい誘導の仕方には反吐が出る思いである。
陛下の御心というのは、決して、国(臣)民を分断させ争わすことではなく、国(臣)民に情報を提供することを生業としているマスメディアや世論調査会社などは、もっともっと深く陛下のお言葉とお気持ちを考え、慎み行動していただきたいものと願う。
さらに政府に求めることとして、指名されて安易に了承する有識者なんかを集めて皇室典範を考えることよりも、選挙によって選ばれた政治家自身が、誠実な心を以て陛下のお気持ちに沿う改正を心がけていただいきたいものである。
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