移民法、水道民営化…2つの悪法に共通する“竹中平蔵利権”
公開日:2018/12/07
今の臨時国会で、政府がなりふり構わずに成立を急いでいる悪法が、外国人労働者の受け入れを拡大する「入管法改正案」と、自治体の水道事業に民間企業の参入を可能にする「水道法改正案」だ。どちらも国民の多数が反対しているのに、与党はロクに審議しないで押し切るつもりだ。2つの悪法には共通点がある。ともにウラには、あの竹中平蔵東洋大教授が出てくるのだ。
自公両党は6日、参院法務委で「入管法改正案」について採決し、あす7日の参院本会議での成立を目指す方針。改正目的の立法事実も示さず、法務省が国会に提出した審議資料は“捏造”。とにかく改正ありきとしか思えないが、改正による受け入れ拡大が大きな“追い風”になる団体がある。「一般社団法人 外国人雇用協議会」(東京・港区)だ。
そもそも、外国人労働者の受け入れ拡大の動きが具体化したのは2016年3月。当時、慶応大教授だった竹中氏が有識者議員として出席した国家戦略特区諮問会議で、早急に検討を行う方針が示されたのがきっかけだ。
協議会は翌4月、日本語やビジネス習慣に通じた質の高い外国人の育成や環境整備などを目的に設立。受験料8000円の「外国人就労適性試験」も手掛け、今年9月の第1回試験には、留学生ら327人が受験した。
改正法成立は協議会や加盟企業にとって大きなビジネスチャンスにつながるだろう。その顧問に宮内義彦オリックスシニアチェアマンらとともに名を連ねているのがナント! 竹中氏なのだ。
協議会に竹中氏が顧問に就いた理由を問うと、「弊会趣旨にご賛同いただける識者等に、広く顧問就任をお願いしております」(事務局)と回答。だが、自分が提案した政策で“潤う”業界、団体の重役に就くなんて、これぞマッチポンプだ。
「水道法改正案」も同じ構造だ。同法案は、自治体が施設を所有したまま運営権を民間事業者に売却するコンセッション方式の導入が柱だが、これを強く訴えていたのが、やはり竹中氏。今年6月の参院内閣委で日本共産党の田村智子議員はコンセッション事業の問題点を追及した際、こう指摘していた。「14年5月19日、第5回経済財政諮問会議・産業競争力会議合同会議に竹中平蔵氏が『コンセッション制度の利活用を通じた成長戦略の加速』という資料を配付している。(コンセッション導入の)数値目標は、少なくとも、空港6件、下水道6件、有料道路1件、水道6件。これ、そのまま政府の目標じゃないですか。竹中さんが提案して、政府の目標になっている」
竹中氏は16年10月には、自分が会長を務める政府の「未来投資会議 構造改革徹底推進会合 第4次産業革命会合」で、「(世界第2位の水メジャー)ヴェオリアは世界数十カ国で水道事業をやっている。ヴェオリアは日本に進出しようとしているけれども、日本にそういう企業がない」と発言している。
そうしたら翌17年3月、浜松市が実施した下水道事業のコンセッション方式で、ヴェオリア・ジャパンのほか、竹中氏が社外取締役を務めるオリックスなどの企業グループが運営権を25億円で落札したのだ。
これじゃあ〈すべての怪しい利権は竹中氏に通ず〉ではないか。加計問題でも明らかになったが、安倍首相の取り巻きが「有識者」として政府組織に潜り込んでボロ儲けする国家私物化システムはいい加減、見直すべきだ。
【 所 感 】
いやいや~、まさか日刊ゲンダイから日頃感じていることを、具体的に記事にしてもらったなんて、本当びっくりしました。しかもオ〇ックスという企業名まで飛び出してきましたからね。日刊ゲンダイさん、本当にありがとう!
思えば小泉政権発足前、連日のようにテレビに出演しては経済を語っていた竹中平蔵氏。正直、カタカナばかりで何を言っているのかわかりませんでした。ですが「聖域なき構造改革(いわゆる何でもありの構造改革)」という文言を繰り返し発していたことだけは覚えております。
そんな経済評論家だった竹中氏が、小泉政権発足と同時に、民間人として経済担当大臣に大抜擢。その後も国会議員となり、一期生ながらに郵政大臣や総務大臣などを歴任、バブル崩壊後の日本経済の立て直しに尽力してこられた、ように見せかけての結局は「失われた20年」の立役者なわけでありますが、民主党政権を除いた期間からこれまでずっと、日本の経済に深く関与してきた人物なわけであります。
元々、郵政民営化に反対だった筆者としては、当時から小泉・竹中路線の経済政策には疑問を抱いておりましたが、結果、経営難やリストラなどで多くの自殺者が増えた要因を、こいつら二人が作り上げたんだと思うようになり、戦後最大級の売国奴だと考えるようになりました。
あらゆる格差を助長し、日本人同士を争わせ、罪なきところに罪をつくり、それがまさに現在の世で開花してしまったなと…。
これ以上、氏の悪口をいうと、筆者自身にも邪の心が芽生えてしまうかもしれないので、ひとまずはこれまでとします。
【 ご訪問、有難う御座いました。 】
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