恋愛とは、自分勝手な物である。
相手の気持ちや立場など関係なく、勝手にその人を好きになり、その人自身の行動で自分勝手に嫉妬し、傷付く。
時には自分の立場や行動までもを棚に上げ、他の誰かを傷付けようが自分勝手にその相手を想い、涙する。
それは老若男女、性格、能力、容姿など全てを問わず、人間ならば誰にでも起こる現象であり、避けられない人間としての本能とも云えよう。
そのような現象により、殆どの女性は色々な夢を抱き、自分勝手に夢物語を創っていく。
そして周りの男達はそれらを逆手に取り、いかに自分の虜にするかを自分勝手に考える。
色々なパターンがあったとしても、たとえ立場が逆転したとしても、結局は自分達が勝手に想う事からの現実。
かの有名な哲学者、斉藤正一は僕にこう言った。
「ファッションヘルスとは、おちんちんを舐めてもらう所である」
「クルーン並みの豪速球だな、ショウイチ君・・・」
「知らない女の子にお金出すだけですっごいエロい事できるんだよ。行かない?」
「安易にそんなアイデアを出す前にもっと他の楽しい事を考えようぜ」
「アイ・ウォナ・ゴー・トゥー・ヘヴン」
「うぜぇ」
正一君は僕の幼なじみ。
今でこそ遊ぶ機会が少ないものの、以前よく一緒に遊んでいた時など何かと理由を付けてはファッションヘルスへ行きたがる生粋の風俗バカだ。
普段はそんな変態志向とは裏腹に、色んな物事を豊富な知識と屁理屈で哲学的に考えてウザいほどゴタクを並べて語る“雑学王”っぽい人ではあるのだが、残念ながら彼の風俗好きは仲間内でも有名で、周りからは「ヘルスの王様」または「ヘラクレス」と呼ばれているのである。
ずいぶん前の話ではあるが、そんなヘラクレスと遊んでいた時の事。
彼はいつものようにファッションヘルスへ行きたがっていた。
「行こうよ~」
「クラブにでも行って頑張って女の子をGETするとか、そーいうのでイイじゃん」
「絶対ムリです」
「わからないじゃん、可能性がゼロではないハズだぞ」
「残念ながら限りなくゼロに近いです」
「じゃ、俺が女の子に声かけてイイ雰囲気を作ってから最高のトスを上げるからさ」
「僕のジャンプではネットまで手が届きません」
「なんですぐ諦めるかなぁー」
「僕が半分お金出すからさー」
「む?、事情が変わった」
こうして僕らは、仕方なくファッションヘルスのあるネオン街へと向かったのだった。
コインパーキングに車を停め、僕がどこへ行くのか質問すると、彼はまるでそんな質問を読んでいたかのように僕の発言を制止し「こっちだ」と言わんばかりにネオン街へと目線を送り、僕を先導するかのように歩き始めた。
僕が以前よく通っていたクラブを素通りし、未知の裏通りへ躊躇なく突き進む彼の力強い後ろ姿は、完全に「キング」の風格を漂わせている。
さすがヘラクレスだ。
しばらくすると彼は立ち止まり、顔なじみらしき呼び込みのボーイと話し始めた。
「今日は結構入ってるんじゃない?」
「わかりますかぁ~、今日はまぁまぁです。今日は来てくれないんですか?」
「悪いけど今日はツレがいるからさ。決まってるんだよねー、行く場所」
「そーなんだー、残念!また来て下さいねー」
「おぅ!また電話入れるから」
さすがヘラクレスだ。
そしてついに彼が目的としていた店の前に到着。
すると、その店のボーイらしき人物が、少し慌て気味にヘラクレスへ話しかけた。
「えっと、、いつも指名して下さってるレナちゃん、昨日で辞めちゃったんですよ、、」
「エッ!!」
「でもまた新しいイイ子が入ったんで・・・・・」
そんなボーイの言葉など、全くヘラクレスの耳には届いていなかったのだろう。
彼は何も言わず突然Uターンをし、下を向いて歩き始めたのだ。
「ショウちゃん、どーした?」
そんな僕の問い掛けに、彼は小さな声でつぶやくように話し始めた。
「今夜、ちゃんと行くって約束したんだぜ、、なのに何で??何も聞いてなかったぞ?」
その落胆振りから、一瞬にして彼がレナちゃんを想う気持ちを読み取る事が出来た。
「し・・・仕方ないって!きっと何かの事情があったんだって!」
「今までどんな悩み事だって、真っ先に俺に話してくれてたんだぞ、なのに何で・・・」
「・・・・・・。」
僕はそれ以上、掛ける言葉がなかった。
そして僕らは黙々と歩きながら、何故か駐車場の方へと向かっていた。
「・・・・帰る?」
僕は意を決し、ヘラクレスに声をかけた。
すると彼は、少し間を置いて予想外な言葉を発したのだ。
「クラブにでも行ってナンパでもしよか?」
僕はそんな彼の意気込みに、間髪入れずノリを合わせた。
「さ、、さすがショウちゃん!バッチリ決めようぜ!」
その後、目を覆いたくなる程の魂の抜けた大ハシャギを目にしたのは、言うまでもないだろう。。
このように恋愛とは、とても自分勝手な物である。
そしてそれは、とてもはかない物でもあるのだ。
相手の気持ちや立場など関係なく、勝手にその人を好きになり、その人自身の行動で自分勝手に嫉妬し、傷付く。
時には自分の立場や行動までもを棚に上げ、他の誰かを傷付けようが自分勝手にその相手を想い、涙する。
それは老若男女、性格、能力、容姿など全てを問わず、人間ならば誰にでも起こる現象であり、避けられない人間としての本能とも云えよう。
そのような現象により、殆どの女性は色々な夢を抱き、自分勝手に夢物語を創っていく。
そして周りの男達はそれらを逆手に取り、いかに自分の虜にするかを自分勝手に考える。
色々なパターンがあったとしても、たとえ立場が逆転したとしても、結局は自分達が勝手に想う事からの現実。
かの有名な哲学者、斉藤正一は僕にこう言った。
「ファッションヘルスとは、おちんちんを舐めてもらう所である」
「クルーン並みの豪速球だな、ショウイチ君・・・」
「知らない女の子にお金出すだけですっごいエロい事できるんだよ。行かない?」
「安易にそんなアイデアを出す前にもっと他の楽しい事を考えようぜ」
「アイ・ウォナ・ゴー・トゥー・ヘヴン」
「うぜぇ」
正一君は僕の幼なじみ。
今でこそ遊ぶ機会が少ないものの、以前よく一緒に遊んでいた時など何かと理由を付けてはファッションヘルスへ行きたがる生粋の風俗バカだ。
普段はそんな変態志向とは裏腹に、色んな物事を豊富な知識と屁理屈で哲学的に考えてウザいほどゴタクを並べて語る“雑学王”っぽい人ではあるのだが、残念ながら彼の風俗好きは仲間内でも有名で、周りからは「ヘルスの王様」または「ヘラクレス」と呼ばれているのである。
ずいぶん前の話ではあるが、そんなヘラクレスと遊んでいた時の事。
彼はいつものようにファッションヘルスへ行きたがっていた。
「行こうよ~」
「クラブにでも行って頑張って女の子をGETするとか、そーいうのでイイじゃん」
「絶対ムリです」
「わからないじゃん、可能性がゼロではないハズだぞ」
「残念ながら限りなくゼロに近いです」
「じゃ、俺が女の子に声かけてイイ雰囲気を作ってから最高のトスを上げるからさ」
「僕のジャンプではネットまで手が届きません」
「なんですぐ諦めるかなぁー」
「僕が半分お金出すからさー」
「む?、事情が変わった」
こうして僕らは、仕方なくファッションヘルスのあるネオン街へと向かったのだった。
コインパーキングに車を停め、僕がどこへ行くのか質問すると、彼はまるでそんな質問を読んでいたかのように僕の発言を制止し「こっちだ」と言わんばかりにネオン街へと目線を送り、僕を先導するかのように歩き始めた。
僕が以前よく通っていたクラブを素通りし、未知の裏通りへ躊躇なく突き進む彼の力強い後ろ姿は、完全に「キング」の風格を漂わせている。
さすがヘラクレスだ。
しばらくすると彼は立ち止まり、顔なじみらしき呼び込みのボーイと話し始めた。
「今日は結構入ってるんじゃない?」
「わかりますかぁ~、今日はまぁまぁです。今日は来てくれないんですか?」
「悪いけど今日はツレがいるからさ。決まってるんだよねー、行く場所」
「そーなんだー、残念!また来て下さいねー」
「おぅ!また電話入れるから」
さすがヘラクレスだ。
そしてついに彼が目的としていた店の前に到着。
すると、その店のボーイらしき人物が、少し慌て気味にヘラクレスへ話しかけた。
「えっと、、いつも指名して下さってるレナちゃん、昨日で辞めちゃったんですよ、、」
「エッ!!」
「でもまた新しいイイ子が入ったんで・・・・・」
そんなボーイの言葉など、全くヘラクレスの耳には届いていなかったのだろう。
彼は何も言わず突然Uターンをし、下を向いて歩き始めたのだ。
「ショウちゃん、どーした?」
そんな僕の問い掛けに、彼は小さな声でつぶやくように話し始めた。
「今夜、ちゃんと行くって約束したんだぜ、、なのに何で??何も聞いてなかったぞ?」
その落胆振りから、一瞬にして彼がレナちゃんを想う気持ちを読み取る事が出来た。
「し・・・仕方ないって!きっと何かの事情があったんだって!」
「今までどんな悩み事だって、真っ先に俺に話してくれてたんだぞ、なのに何で・・・」
「・・・・・・。」
僕はそれ以上、掛ける言葉がなかった。
そして僕らは黙々と歩きながら、何故か駐車場の方へと向かっていた。
「・・・・帰る?」
僕は意を決し、ヘラクレスに声をかけた。
すると彼は、少し間を置いて予想外な言葉を発したのだ。
「クラブにでも行ってナンパでもしよか?」
僕はそんな彼の意気込みに、間髪入れずノリを合わせた。
「さ、、さすがショウちゃん!バッチリ決めようぜ!」
その後、目を覆いたくなる程の魂の抜けた大ハシャギを目にしたのは、言うまでもないだろう。。
このように恋愛とは、とても自分勝手な物である。
そしてそれは、とてもはかない物でもあるのだ。