祝・脚本賞受賞! 濱口竜介監督喜びのコメント【カンヌ国際映画祭2021】
7/20(火) 21:24配信
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(c)KAZUKO WAKAYAMA
現地時間7月17日に閉幕した第74回カンヌ国際映画祭。共同執筆者である大江崇允氏とともに脚本賞を受賞した濱口竜介監督。「キャストやスタッフのみなさんの代表として来ているというところがあった。その代表としての務めを果たすという気持ちがありました」と授賞式後にコメント。
(c)2021 『ドライブ・マイ・カー』製作委員会
「本当に誇らしい賞だと思います。みなさん口をそろえておっしゃってくださったのは『(3時間という)長さを感じない』ということ。ゆっくりとじりじりと進んではいくけれど気付くとその流れに乗っている。そんなところが脚本賞に繋がったのだと思います」「家福とみさき、この二人がすごく抑制された人間性で、自分のことをあまり喋るわけじゃないんだけれども、それぞれ腹のなかに渦巻いている感情というものはあって。それがあるきっかけて出てきてしまう。内にある物が溢れ出してくるという流れを一つの軸として考えていました。実際”流れ”というものはものすごく意識して書いていたと思います。滞ることがあってしまったら、この長い物語というのは、観客にとってとても負担になってしまう。淀むことなく進んでいくように、ということは考えていました。それが一体どうすれば出来るかと思ったとき、実際に流れるように書こうと意識していたと思います」と授賞理由を分析した。
(c)KAZUKO WAKAYAMA
授賞式に先立ち、国際批評家連盟が主催するFIPRESCI賞(国際批評家連盟賞)、キリスト教関連団体が選出するエキュメニカル審査員賞、独立興行主組織が授与するAFCAE賞と、独立賞を3つ獲得。FIPRESCIは黒沢清監督以来20年ぶり、脚本賞は日本作品として初となる快挙。今後の活躍から目が離せない。
濱口竜介監督プロフィール
1978年12月16日、神奈川県生まれ。08年、東京藝術大学大学院映像研究科の修了制作『PASSION』がサン・セバスチャン国際映画祭や東京フィルメックスに出品され高い評価を得る。その後も日韓共同制作『THE DEPTHS』(10)が東京フィルメックスに出品、東日本大震災の被害者へのインタヴューから成る『なみのおと』、『なみのこえ』、東北地方の民話の記録『うたうひと』(11~13/共同監督:酒井耕)、4時間を超える長編『親密さ』(12)、染谷将太を主演に迎えた『不気味なものの肌に触れる』(13)を監督。商業長編映画2作目となる『ドライブ・マイ・カー』(21)は、原作に惚れ込み自ら映画化を熱望、脚本も手掛ける意欲作。大江崇允プロフィール1981年1月6日、大阪府出身。近畿大学で舞台芸術を学んだ後「旧劇団スカイフィッシュ」を旗揚げ、演出や俳優として舞台作品に携わる。その後、映画制作を始め、監督・脚本として活動。監督作品にCINEDRIVE2010監督賞を受賞した『美しい術』(09)、第7回CO2グランプリほか国内外で評価を受けた『適切な距離』(11)などがある。また、ドラマでは演出「君は放課後、宙を飛ぶ」(18/TBSサービス・東映)、脚本「恋のツキ」(18/TX)などがある。