菅義偉首相は27日、東京都で新型コロナウイルスの新規感染者が2848人と過去最多になるなど感染が拡大する状況でも東京五輪は中止しないと明言した。官邸で記者団から「中止の選択肢はないのか」と問われたのに対し、「人流も減っているし、そこはない」と否定した。
【関連記事】東京のコロナ感染、最多の2848人 小池知事「金メダル取りたい」も…デルタ株猛威とまらず
東京五輪に関しては「国民には不要不急の外出は避け、テレビ等で観戦してほしい」と呼び掛けた。
これに先立ち、首相は西村康稔経済再生担当相や田村憲久厚生労働相ら関係閣僚と感染状況の分析や対応を協議した。
首相は記者団に「都によれば、感染者のうち65歳以上の割合は2%台。30代以下が約7割を占めている。一方、40代、50代の入院が増え、デルタ株の割合も急速に増加している。まずは4連休を含めて分析していく」と協議の内容を説明。
その上で「各自治体と連携しながら、強い警戒感を持って感染防止に当たっていく。重症化リスクを7割減らす新たな治療薬を政府で確保しているので、徹底して使用していくことも確認した」と述べた。(清水俊介)