悠の食虫植物 ネペンテス普及委員会 (和名 ウツボカヅラを世に広める会)

食虫植物のネペンテスを広めていくためのブログ。

鉄コミュニケイション① ハルカとイーヴァ  その 1

2010年01月17日 23時40分05秒 | Sランク
鉄コミュニケイション1
秋山 瑞人
角川(メディアワークス)

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 人生にはきっかけというものがあります。大なり小なり、その重要度は異なりま

すが、それは突然、なんの前触れもなく訪れるときがあります。

 私にとって、上記の作品がまさにそれ。「鉄コミュニケイション」は私が小説家

を目指すきっかけになった、本当に大事な人生の一冊なのです。


 この作品に出会ったのは、もう10年も前でしょうか。当時の私は高校生。ライ

トノベル創世記と私は勝手に思っていたのですが、その類の本が爆発的に出始めた

ころでした。まだライトノベルというジャンルさえ確立していなかった時代。

 中学のときに友人に「フォーチュンクエスト」という小説を無理やりすすめられ

て以来、すっかりこの手の本の虜になっていた私。

 ライトノベルのどこに魅力があったのか。その答えは今でも変わりません。

それはズバリ


可能性


です。マンガにはない表現力。既存の小説には存在しえなかった描写力。マンガで

もない。小説ほど硬くもない。ただ物語と登場人物のおもしろさだけを極限まで追

求した究極の本の形。新しい時代を切り拓いていくのは想像に難くありませんでし

た。


 みんながマンガを読んでいるときに、私はこの手の本を読み漁りました。そして

目が肥えていくにつれて、ライトノベルの手法自体に満足ができなくなったので

す。

 その一番の理由が、とにかく読み物としての掘り下げが浅い作品が多すぎるこ

と。

 所詮はマンガの延長という意識が出版社業界に出てきたためか、絵ほどの表現力

もなく、小説ほどの描写力のない、私の中で中途半端な存在に成り下がっていきま

した。

 その時からでしょうか。ぼんやりと将来を考えるようになったのは。満足できる

作品がないのであれば、自分で書いてしまえばいいのではないか。

 
 そんな毎日を過ごす中で、私はついに衝撃的な出会いを果たしたのです。


 高校当時、学校帰りに行きつけの本屋があり、いつもそこでライトノベルを買い

あさっていたのですが(私が買い始めてから、この店はコーナーを拡大してライト

ノベルを充実させていったので、それが凄い嬉しかったのをおぼえています)、

表紙の絵がきらいじゃなかったので、取り合えず買っとくか、くらいの気持ちで手

に取ったのがこの「鉄コミュニケイション」です。


 友達と遊んで家に帰って、いつも通り読書開始。そして受けたその衝撃。その日

は徹夜で読んでしまいました。

 興奮冷めやらぬとはまさにこのこと。2巻の存在を知るやいなや、学校帰りに行

きつけの本屋に直行。店主は常連の私をしっかり把握していたらしく、コーナーの

一番手に、なんと昨日までなかった「鉄コミュニケイション2」と書かれた本が!

 あのオヤジ


やりおるわ。

 心の中で店主のオヤジに敬意を表し、家に飛んで帰りました。それからはもう無

我夢中です。噛り付いて読みふけりました。

 先が見たい。なんで自分はこんなにも読むのが遅いのか、もどかしく思ったもの

です。でも、一字一句だって読み逃したくない。 そして読みすすめるうちに、読

み終わりたくないというジレンマにまで襲われました。

 そして、運命の読了。私は静かに本を閉じて思いました。

 この人がいれば、ライトノベル界はさらに発展を遂げるだろうと。

 もう安心だとさえ思いました。そして愚直にも、私は心に決めました。

 この作品の素晴らしさを、もっと世に広めるのが、私の使命であると。


 大袈裟ですが、当時の私は大真面目でした。そして10年経った今でも大真面目

なのですからビックリしてしまいます。

 高校生の当時、パソコンなど持ってるはずもなく、私の親父が愛用していたワー

プロを取り上げ、せっせと小説を書く毎日。そして書けば書くほど思い知らされる

圧倒的な実力の差。相手の強さがわかるのも強さのうちとは、よく言ったもので

す。

 いつしかこの「鉄コミュニケイション」は私のバイブル的な存在となっていき、

幾度ものリサイクルブームや大掃除、引越しを乗り越えて、今だに私の手元にあり

ます。

 マンガを含めれば月に10冊以上は高校時代から買い続けてきた私ですから、今

では50冊に満たない本棚にまだ残ってるのが奇跡的ですらあります。

 今でも、本を大量に買い込んでは手放すを繰り返しています。が、この本だけは

今でも私の枕元に置いてある時があります。

 今回は、俺の食卓リニューアル記念に相応しい、作者 秋山 瑞人氏の魅力を

余すことなくお伝えしていきます。


 鉄コミュニケイション① ハルカとイーヴァ  その 1

 鉄コミュニケイション① ハルカとイーヴァ  その 2 

 鉄コミュニケイション② チェスゲーム 

 鉄コミュニケイション② チェスゲーム その2
 


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