先日、浦和で二か月に一回の句会に参加した。この句会の主催者は元の上司。現役時代思いがけず句集を頂いたことがった。表紙は上司の兄君の絵だった。この兄君は日展に入選していた画家で医者だったとのこと。
メンバーは、同じ会社にいた先輩たち。主催者と同期の方々なのでちょっと年上である。
さて、その句会で私が頭をひねったのは、ある参加者の投句「・・・・・・(上五、中七は省略)打たれしよ」という表現。セーターの袖をぶらぶらさせ、その袖で打たれた、という句意である。
疑念を呈した私に、俳句の経験も深いその先輩は「どうすればいいと思うの?」と聞かれ、その場では気付かなかった。プレバトの梅沢さんではないが「急に言われても・・・」といったところか。
今ならば、先輩に・・・・もしこの句が「・・・・打たれけり」ならば何も問題もないだけでなく、「けり」には驚きや感動、少年時代の記憶なども含まれて、蘊蓄の深い言葉だと思うのだが・・・多分、私も頂いただろうなと思う・・・と答えられただろうと思う。
そのうえで、なぜ「けり」を使わなかったのか、も聞けただろうと思うのだが。
で、文法的にはどうなのだろう?「打たれしよ」
自動詞は「打つ」でタ行の四段活用。他動詞は「打たる」で良いのだろうか?語幹は「打た」ラ行の下二段活用でよろしい?すると「打たれ」は連用形?
次に「し」は過去を表す助動詞「き」の連体形?
「よ」は間投助詞で間違いはないだろう。
『伸びたセーターの袖で打たれたこともあったなあ・・・』という意味は間違いないところだろう。
文法は苦手だな!!!!!!
それにしてもこんな複雑な表現をしなくても良いのではないかな?
やはり「・・・打たれけり」とするのが俳句の言葉としては一番良いと思うのだが。どうだろう、先輩!