いささか季節外れであるが、半夏生は太陽暦では七月二日(旧暦五月十一日
)頃とのこと。半夏草(烏柄杓)の生え始めるころという意味、と歳時記にある。まあ、そう言えば何となく分かったような気にもなるし、ああ、あの葉っぱが「半夏草」なのか・・・と思うが、今一つ実感は沸かない。ご近所にはあったはずだし何度か見てはいるものの、庭に生えている訳ではないからだろうか?
この植物の実感が足りないばかりに、時候としての「半夏生」についても何かつかみどころがなく、実感できない・・・のが本音である。
七月の句会に提示されたこの季語に、どうも満足、というか自分で納得できるような句は結局できなかった。歳時記にある例句を何度読んでみても腑に落ちてこない感じがする所為だろうか。この句は「腑に落ちた」訳ではないものの、ああそういうことでもよいのかなと感じた句である。
平凡な雨の一日半夏生・・・宇田喜代子