毎年、この時期になると流行語大賞の話題がひとしきり世上を賑わせますね。
かなり前のことですが、金田一秀穂先生の講演がラジオで放送されていたのをききました。たしか「ワンチーム」が大賞を取ったことが話題でしたので、多分2020年の放送だったかな?
先生は、流行語とはいつの間にか人口に膾炙して多くの人が使うようになったものだから、誰が言い出したなどということはわからないのが本来です。でも、この流行語大賞は表彰式があるので、ある程度「この人が言い出した」と特定できないと駄目なんだそうです・・・。と発言されていました。
確かにそうですね~その時先生が本来の意味での流行語は「肉肉しい」がふさわしいと。元々の「憎憎しい」という否定的表現が、「肉肉しい」というといかにも美味しい肉汁たっぷりの肉を思い浮かべますが、誰が言い出したのでしょう?なかなかどうして傑作ではないでしょうか。
今回、様々な言葉がノミネートされていますが、金田一先生の基準からすればある程度発言者が特定される言葉も多いようですし、特定の芸人が言っているような言葉は本来の意味では流行語ではないのでしょう。
個人的には「丁寧な(に)説明」が良いかなと思いますが、故安倍元首相や菅前首相、岸田首相などが実に頻繁に使っていましたから、金田一基準からは外れるし、ユーキャンという主宰会社が表彰式に首相を呼ぶなんてジョークは出来ないでしょうから無理でしょうね?
それにしても、「丁寧」とは首相達の使い方は、「同じことを何度も繰り返すこと、理解されようがされまいが構わないからとにかく繰り返すこと、嘘も何度も言っていれば嘘ではなくなってくること・・・」ということのようですね?
こんな情けない言葉、内容のない空虚な言葉を一国の代表が使っていることに背筋の寒くなる思いがします。国会を「言論の府」というのは昔の教科書だけでしょうか?「嘘」や「ごまかし」がはびこる場所と成り下がってしまったように感じます。