「私が死んでも料理は残る」に紹介されていた、カツ代さん料理家デビュー前の自伝的小説。
絶版ですが、図書館にありました。
優しいエリートご主人のもと、天真爛漫な結婚生活を送っていた、お嬢さん育ちアラサー主婦のカツ代さん。平穏すぎる毎日に「何かしたい」と一念発起して、グリーティングカードのイラストレーターを目指し、漫画学校に通い始めます。
ところが学校が倒産!学友たちと、右往左往しつつも学校の再建を目指しますが、
結局、業を煮やした料理の神様が迎えに来るような形で、カツ代さんは料理家デビューします。
しかし
あれだけ料理の才能にあふれた人が、何でイラストレーターなの?
本の中にカツ代さんのイラストも登場しますが、料理ほどの腕前ではないと…。
自分の中に眠れる才能に気づくのは、とても難しいことなのでしょうか?
この後料理家デビュー、二人の子どもを育てつつ、最後はあんなに仲睦まじかった主人とも離婚…
カツ代さんのその後の、忙しすぎる人生を知っている者としては、短かった学校生活が、とても愛しいものに感じます。
昭和30年代後半のの日本の雰囲気も、満載です。