路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【論説・04.29】:衆院島根1区は亀井氏 地域再生に全力尽くせ

2024-05-01 04:01:20 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【論説・04.29】:衆院島根1区は亀井氏 地域再生に全力尽くせ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【論説・04.29】:衆院島根1区は亀井氏 地域再生に全力尽くせ 

 28日に投開票された衆院3補欠選挙のうち、唯一の与野党一騎打ちとなり、岸田政権の命運を左右する選挙区として全国から注目を集めた島根1区。結果は立憲民主党元職で党県連代表の亀井亜紀子氏(58)が自民党新人で元中国財務局長の錦織功政氏(55)を破り、衆院の選挙区では初当選を果たした。

 自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件による「政治とカネ」の問題が影響し、事前調査で亀井氏有利という観測が流れてはいたが、半信半疑だった。

 島根県は竹下登元首相や「参院のドン」と呼ばれた青木幹雄元官房長官ら自民党の有力議員を輩出してきた「保守王国」。島根1区も、小選挙区が導入された1996年以降、昨年11月に死去した細田博之前衆院議長が当選を重ねてきた。これまでずっと「細田」と書いてきた有権者が自民以外の候補者名を書くのか疑いの目を向けていた。

 だが、その疑念は現場を訪ねてすぐに解消された。選挙戦初の週末となった20日、松江市学園2丁目のスーパー前であった亀井氏の街頭演説をのぞくと、500人近い有権者が候補の到着を待ち構えていた。

 マイクを握った亀井氏自身が「この場所(での演説)でこんなに多くの人は見たことがない」と驚いたほど。応援弁士として野田佳彦元首相と、知名度の高い蓮舫参院議員がやって来た効果もあるだろう。

 裏金事件を念頭に、野田氏が「解明しない。納税しない。説明責任を果たさない。処分しない。『しない』ばかりだ」と自民を批判し、「反省しない政党に処分を下す投票をしよう」と声を張り上げると、賛同の拍手が一斉に湧き上がった。

 対照的だったのが、21日に同市西浜佐陀町のスーパー前であった錦織氏の街頭演説。自民党総裁の岸田文雄首相が来県したこともあり、動員数は前日の亀井陣営を上回っていたものの、錦織氏に続いて首相がマイクを握った途端、会場を立ち去る人の姿が目に付いた。

 山陰中央新報社などが20、21の両日、島根1区の有権者を対象に行った電話調査によると、普段の支持政党は自民が42%で立民の19%を引き離したが、次期衆院選比例代表の投票先は立民が31%で自民の27%を上回った。裏金事件で「自民離れ」が加速している証しと言える。

 今回の選挙戦を振り返ると、裏金事件を前面に押し出して攻勢を強める立民に対し、自民は防戦一方という構図だった。加えて、錦織氏は知名度の低さもあり、遊説も自己紹介に一定の時間を割かざるを得なかった。

 その結果、両氏とも地域医療の確保・充実、農林水産業や離島振興などの政策を訴えたものの、項目を羅列したに過ぎず、具体的な処方箋についての言及は乏しかった。有権者には物足りない内容で、政策論争で関心が高まったとは到底思えない。

 亀井氏は選挙期間中、「国づくり八策」と名付け、子育てと教育予算の増加や、JR木次線を念頭に置いた公共交通の維持などの政策を掲げた。いずれも人口減少で衰退する地域の再生へ向けて欠かせない政策だ。

 「保守王国」に風穴をあけたことがゴールではない。今回は補選だけに残された任期は限定的だが、地域のために「八策」実現へ全力を尽くしてほしい。

 元稿:山陰中央新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【論説】  2024年04月29日  04:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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