【それでもバカとは戦え・08.25】:マスクの本気度は?「X」ブロック機能の意味、廃止されたらアカウントを削除する
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【それでもバカとは戦え・08.25】:マスクの本気度は?「X」ブロック機能の意味、廃止されたらアカウントを削除する
X(旧ツイッター)のオーナーであるイーロン・マスクが、Xで特定のアカウントによる投稿の閲覧やフォローなどを制限するブロック機能を廃止する予定だと明らかにし、ブロックには「意味がない」と断じた。
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ブロック機能を廃止する予定(Xのオーナーであるイーロン・マスク)/(C)ロイター
特定のアカウントを自分のタイムラインに表示しないようにするミュート機能は引き続き使えるというが、ミュートのほうこそ意味がない。ミュートは自分側から見えなくなるだけで、相手側からは丸見えだからだ。
世の中には悪意の塊のような人間が存在する。誹謗中傷やデマ、陰謀論、ヘイトスピーチを流したり、有害なサイトへ誘導するアカウントもある。女性ユーザーなら、セクハラやストーカーを繰り返すアカウントもブロックしたいはずだ。
もちろん、ブロックしても相手がサブアカ(別につくったアカウント)を使えばこちらの投稿は見えてしまうし、問題のある投稿そのものが消えるわけではない。ブロックにより逆恨みされる可能性もある。
それでもブロックには大きな意味がある。以前私は「切るは一時の手間 切らぬは一生の手間」という標語をつくった。たしかに一時的な反発はあるだろうが、その後、自分の投稿が相手の目に入らなくなるわけだから、長期的にはプラスになる。サブアカを使ってまで粘着してくるやつはごく少数なので、それは個別にX社に通報すればいいだけの話だ。
現在私のフォロワー数は約5万、ブロックしたアカウント数は約1500である。このブロックリストは時間をかけてできあがったものであり、ある種のアカウントの財産である。X社は私企業だが、提供している場は公共性を持っている。たとえオーナーであれ、いきなりシステムを変更するのは横暴極まりない。
よって、ブロック機能が廃止されたら、その瞬間に私のXのアカウントは削除する予定である。
もっとも、マスクがどこまで本気なのかはわからない。スマートフォンのアプリストアの規約ではSNSアプリにはブロック機能が必須ということになっている。また、ブロック機能が削除された場合、すでにブロック済みのアカウントがすべてブロックが外れた状態になるのかも判明していない。いずれにせよ、健全なSNSが成り立つために必要なのは、ブロック機能の強化だと思う。
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近著に「日本人は豚になる」「ナショナリズムを理解できないバカ」など。著書40冊以上。購読者参加型メルマガ「適菜収のメールマガジン」も始動。詳細は適菜収のメールマガジンへ。
元稿:日刊ゲンダイ DIGITAL 主要ニュース マネー 【トピックス・連載「それでもバカとは戦え」】 2023年08月25日 17:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。