路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【天風録・05.02】:鈴が鳴る道

2024-05-04 07:01:30 | 【訃報・告別式・通夜・お別れの会・病死・事故死・災害死・被害による死他】

【天風録・05.02】:鈴が鳴る道

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録・05.02】:鈴が鳴る道

 わずかに動く口で筆をくわえる詩画家、星野富弘さんと対談中、傍らの妻に作家の三浦綾子さんが水を向ける。夫婦げんかはするの―。「あまり無い」との答えに感心する三浦さんに種が明かされる。「けんかしそうなときは口に筆をくわえさせちゃって」

 ▲「三浦綾子対話集1」(旬報社)から引いた。死線をさまよう星野さんへの恋心に戸惑って、結婚前には「愛することをやめさせてください」と神に祈った人である。冗談交じりに話せるまで至った夫婦の軌跡を思う

 ▲それほど愛され、そして愛した星野さんが78歳で亡くなった。不慮のけがで手足の自由を失い、闘病中に見つけた絵手紙風の詩画が生きがいとなった

 ▲野の花を好んで描き続けたが、野道は苦手だった。電動車いすだとガタガタ揺れ、「脳みそがひっくり返る」感じがしたらしい。ある日、車いすに鈴をぶら下げてみると、「チリーン」。鳴る鈴に心洗われるようになり、凸凹道が楽しみに変わった

 ▲随筆に書いている。〈人も皆、この鈴のようなものを、心の中に授かっているのではないだろうか〉。平らな道で鈴は鳴らない。人生の凸凹道でうつむく心に、詩と絵で鈴を思い出させる人だった。

 元稿:中国新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】  2024年05月02日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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