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タイタニック3Dに思う

2012-04-15 | 会計・株式・財務
映画「タイタニック3D版」を観賞しました。3Dで観てみたいという好奇心もありましたが、一度、映画館のスクリーンで3時間超の一大スペクタクルを堪能したいという思いが強かったからです。
映画の内容は皆さんご承知の通りで改めて説明する必要はありません。ただ、鑑賞後、気づいた点があったので書き記します。

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「タイタニックは沈められた」という本によりますと、タイタニック号には内装や食器に至るまで全く同じ姉妹船、オリンピック号が存在しておりまして、そのオリンピック号が事故を起こしてしまう。修復はできたが耐久性能は大きく損なわれたそうです。
そこで一計が案じられ、船名を変えて、外観も内装も同じタイタニック号であると偽り、保険金を得るために氷山に意図して衝突されたというものです。

タイタニックは沈められた
ロビン・ガーディナー,ダン・V・ヴァット
集英社


証明された事実ではありませんが、船を所有していたホワイト・スター・ライン社が財政難であったこと、保険金は100万ポンドということで建造費50万ポンドを上回っていたといったことからしますと、確かに「ウラに何かあったのでは?」と思いたくなります。

しかも興味深いのは、タイタニックの事実上の所有者はホワイト・スター・ライン社に出資していた国際海運商事の社長・JPモルガン氏。JPモルガン銀行の創設者とのこと。
このJPモルガン氏もスイートルームに乗船予定であったが、「非常に幸運にも」乗船をキャンセルしてフランスの避暑地におりました。
ここまでいくと何やら「金融資本の陰謀」めいたものさえ感じます。



それから時を経て現在の日本。
もう何が言いたいかお分かりでしょう。

それこそ目玉の飛び出る巨額の借金を抱えるなど、日本の財政問題は、多くの識者が警鐘を鳴らしているのに、何ら改善の兆しが見えません。
その有様は、氷山(財政破たん)が近くに迫っているという警告が出ているのにスピードを落とそうとしなかったタイタニック号そのもの。
「年金・医療」という救命ボートも人数分はありません。高齢者という「1等船室」の乗客から使われてしまっております。「3等船室」にいる若い低所得層はどうなってしまうのでしょうか? 

そんな日本に愛想が尽きたのか、ご存知の通りヘッジファンド等海外投資家の中には日本国債売りで一儲けしようとする動きも見られるようになってきました。
日経ヴェリタスによれば長期金利1%上昇で金融機関に45兆円もの含み損が出るとのこと。国債の安定消化にも支障が出るでしょうし、金融システム不安も当然高まることになります。シャレになりませんが、一大スペクタクルになることでしょう。


海外金融資本が「沈没」させて儲ける・・・。歴史は繰り返すのでしょうか。

まぁ、そんな陰謀説は横に置いておくとしても、
日本というタイタニックの沈没劇はリアルに進行中。
もちろん3Dメガネは要りませんよ。

以上、タイタニック号沈没(1912年4月15日)からちょうど100年にあたる2012年4月15日に記す。

なかのひと

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