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貸金業懇談会「上限金利20%以下への引き下げ」方針に思う

2006-04-18 | 経営

いつもご覧下さり、誠に有難うございます。
昨日も大したネタではなかったのに689名様にご覧いただきました。
恐縮の至りです。

また、前回のサラ金ネタ。沢山のコメント、有難うございました。


そんな中、新たな動きが・・・・。

ひゃぁー、これは強烈ですね。
まずはNIKKEI NETより。

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――
 ◆金融庁の貸金懇、上限金利20%以下への引き下げで一致◆

金融庁の貸金業に関する懇談会は18日、消費者金融など貸金業者による
貸し出しの上限金利を現行の年29.2%から年20%以下に引き下げることでおおむね
一致した。
ただ、貸金業者や一部委員からは「消費者側の意見を一方的に取り入れている」と
の異論もある。懇談会は21日に中間整理をまとめる予定で、上限金利の水準などを巡る攻防が大詰めを迎えている。

 18日の会合で焦点となったのは利息制限法の上限金利(融資額に応じて年15―
20%)を超えても出資法の上限(年29.2%)の範囲内であれば刑事罰に問われない
グレーゾーン(灰色)金利問題と、今後の上限金利のあり方だ。

 議論のたたき台となった中間報告の座長原案は、灰色金利について存続と廃止
の両論を併記。上限金利もこれまでの議論で目立った利息制限法に合わせる案
以外に、出資法の上限に合わせる案、この二つの法の中間に設定する案まで、
幅広い選択肢を記載した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
 (コメント)

① アイフルの検査結果&処分公表を意図的にこのタイミングに持ってくるなど、
    最近の流れからすると厳しいものになりそうだと思っておりましたが、
    しかしここまでとは・・・。
   要は、出資法の上限を利息制限法の上限に合わせる、ってことです。

  市場コンセンサスは「下げても25%程度だろう」というものではないでしょうか?
   だとするとこれはリスクシナリオとして可能性はあったにせよ、
   ネガティブサプライズでしょう。


②気をつけなくてはならないのが、流通系・信販系カード会社。
   クレジットカードによる販売信用の収益(いわゆる総合あっせん)以上に、
    融資収益(キャッシング、カードローン)が各社の収益の柱となっている先が多い。
  いわゆるグレーゾーン金利で営業している金融商品もあるでしょうから、それなり
  に影響が出てくると思います。

  明日の市場は目を覆うばかり・・・となってしまうのでしょうか。
  そしてオーバーシュートしたノンバンク株を、転売目的で投資ファンドなどが買い
  向かっていくのでしょうか?

  業界再編ののろし。上がりましたね、これは。

  なお、大手消費者金融は来週、決算発表が予定されています。各社いかなる
  シナリオでこの難局に立ち向かっていくのか要注目です。
  特に、系列色のない渦中のアイフルと武富士がどうなっていくか・・・・。


③それにしても、ムーディーズ。よりによって本日、プロミスとアコムを格上げした
  のです。
  プロミスは三井住友フィナンシャルグループからの、
  アコムは三菱UFJフィナンシャルグループからの、
  サポート供与等に対するムーディーズの見方が高まったから、としています。

   <リリース>
   プロミス
    http://www.moodys.co.jp/ssl/pdfs/img20060418164041.pdf

    アコム
     http://www.moodys.co.jp/ssl/pdfs/img20060418163928.pdf

   しかし、ここまでのシナリオを想定していたのでしょうか?
  それとも最終の国会審議で無難な案に落ち着くと見ているのでしょうか?
  確かにメガバンクによるサポート要因は分からないでもないが、
  何もこの段階で格上げすることもないのでは、と思ったのは私だけでしょうか?


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