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アブラハム金商法違反に思う

2013-10-08 | 会計・株式・財務
また新興投資会社が問題をやらかしたようですね。
いつかはゆかし」というか、「いつかはおかしくなる」と思っていた向きも多いようですけど。


アブラハム・・・・この名前が気になりました。調べると、アブラハムは、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教を信じるいわゆる聖典の民の始祖。ノアの洪水後、神による人類救済の出発点として選ばれ祝福された最初の預言者。
「預言者」ですか・・・・随分と大きく出たものですね。


この名前を見て、最近読んだある本を思い出しました。
税理士のための百箇条―実務と判断の指針
 
財経詳報社


著者は税理士・会計士そして弁護士資格を有する凄い先生ですけれど、これぞ「目からウロコ本」。税務を中心に100もの「気づき」が惜しげもなく紹介されており、今年イチ押しの凄い本。騙されたと思ってぜひご一読下さい。

さて、この本の中で「第95 口頭による贈与」というテーマがありまして、
民法550条の理由についてアブラハムの時代を引き合いに出して説明しております。
民法550条は「書面によらない贈与は各当事者が撤回することができる」。
なぜ撤回できるか、その理由は4,000年を遡るのです

妻サラが死亡し、アブラハムは墓地を求めた。
族長エフロンが土地を贈与すると申し出たが、アブラハムはそれを断り、
「私の言うことを聞き入れて下さい。私は畑地の対価をお支払いします。どうか私から受け取って下さい。」(創世記24章13節)と答えた。
そして、アブラハムは銀400シェケルを支払って土地を購入したのだが、その理由は当時の慣習にあった。
贈与を受けた土地は、その後、何時でも取り戻されてしまうという慣習だ。



そして現代。
アブラハム社はいろいろやらかしてしまったようです。

<監視委が認定したアブラハム社の金商法違反>
 ●無登録販売
 → 金融商品販売業者の登録をせず、
   海外の運用会社から事実上の販売手数料を受け取ってファンド販売
 ●誇大広告
 → 実際に投資助言していない金融商品の平均利回りを他の商品と比較し、
自社サービスの優位性を示す
 ●個別顧客への利益提供
 → 1人の顧客に助言料約940万円を免除


気になったのは最後の利益贈与(利益提供)。
これがもし口頭での贈与だとしたら傑作ですよね。

金商法違反ということもあり、アブラハムが民法550条をタテに撤回するかも知れませんからね。
だとしたら、これぞ歴史の皮肉かも知れないね。


なかのひと

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