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「長期金利、0.860%に上昇 10年ぶり高水準」に思う

2023-10-23 | 会計・株式・財務
本日の日経ニュースで「長期金利、0.860%に上昇 10年ぶり高水準」というのがありました。
記事本文はぜひ原文で御確認下さい。

日銀は30〜31日に開く金融政策決定会合において、米金利の上昇などを受け、長期金利が日銀が事実上の上限とする1%に迫ってきていることから、上限を引き上げる案などが議論される可能性がある。こうした日銀で長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の再修正論が浮上し、これを織り込む形で金利への上昇圧力が強まったというワケだ。

しかしこのままいくとエライことになるという見方が多方面から高まっている。

すなわち、米金利が不安定化している中で、日銀が一段の政策修正に向けて歩を進めるためには、米利上げの休止と米金利環境の安定が不可欠であるが、現状は依然高止まりの状況が続いている。
1ドル=150円水準が続く中、仮に1ドル=120~130円レベルに戻すには、現在の日米スプレッド400ベーシスを250ベーシスまで圧縮する必要があり、米金利だけで%後半までの低下が必要。しかしそれも短期的に期待できないとなれば、日本の長期金利へは上昇圧力は否応なく高まる。

しかし、日本の政府債務はGDPの260%もある。政策金利の引き上げを渋るのは無理もない。仮に米利上げの半分、300ベーシスも引き上げたら、日本の国債費は爆発的に膨れ上がるし、日本の金融セクターにも巨大な圧力がかかりうる。
色々な識者が言うように、ゼロ金利政策を何十年と維持してきた日銀が、システミックな金融危機を引き起こさずに利上げが果たしてできるのだろうか。

目に余る円安を甘受して割高な食糧など物価高で国民経済を疲弊させていくのか、それとも一かバチかの利上げで一気に国家財政にストレスをかけるのか。どちらに転んでも地獄である。

日本発の世界的な金融危機もありうるかも。
それくらい個人的には戦々恐々としております。
杞憂に終わればいいですが。








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