◆「財務アナリストの雑感」 2024◆

会計士兼アナリストによる屈指の歴史だけがウリの会計・財務・株式・金融ブログ。異常な経済金融環境を一刀両断!できるかな?

5期ぶりホイホイ

2012-04-06 | 会計・株式・財務
セブン&アイ・ホールディングスが5日発表した2012年2月期の連結経常利益は前の期比21%増の2931億円で5期ぶりに過去最高を更新したとのこと。主力のコンビニの好調さに加えて、課題事業だったスーパーと百貨店の利益が大幅に増加したことも貢献しておりまして、2013年2月期も積極出店などで3,120億円と国内小売業としては初めて3000億円を突破する見通し。


経営努力でコンビニ、スーパー、百貨店での集客がホイホイ進んで5期ぶりに最高益を更新したのでタイトルをこのようにしたのですが、語感から、家庭用殺虫剤を連想された方がいらっしゃるかもしれません。でもそれは心外ですし当社にも失礼です(笑).



これで終わったら芸がないので、当社の決算短信を見て一つ気がついたことを書き残します。
マスコミが営業利益・経常利益ばかりに注目しているので、私はその下の純利益に注目。

この数字、何だと思いますか?
2009年2月期 52.9%
2010年2月期 60.6%
2011年2月期 45.8%
2012年2月期 39.1%

これらは税効果会計適用後の法人税等の負担率です。
決算短信の注記で見られた方は多いと思います。法人税の実効税率と一定の差異がある場合に、その差異の原因となった主要な項目別内訳も開示されます。

この負担率は順調に下がっています。
当社の場合、税効果が認められない「のれん償却」などの影響があり負担率は高めに推移しておりましたが、2012期では翌期からの連結納税制度の適用による繰延税金資産の計上効果もあって39.1%と実効税率40.7%を下回りました。短信の49枚目(p.47)でも連結納税の効果により負担率が▲4.3ポイント下がったとの注記があります。
税金も立派なコスト。こういう削減努力も評価したいですね。


なお、決算の作り手である経理担当者にとって「税率差異分析」実務は厄介なようでして、最近ではこんな本も出版。
私も買って勉強しております。やや専門的な内容ではありますが、経理担当者だけでなく、財務情報の読み手にとっても参考になると思います。
税効果会計における「税率差異」の実務
 
中央経済社



なかのひと





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