イデア(真理)は、それを認識しようとする人間の試み(「試み」=「実験」というのは「悪魔的な行為」=「ルシファー科学」を暗示的に指す『聖書』の特徴的な言葉である)によって本来の〈聖性〉を必ず穢され、その穢れの中で自ずと真理に非ざるものに変わる。
これこそは、真理についてのグノーシス(認識)が通常の人間にとっては常に不可能である所以である。そして、この事実を私たちに伝えようとしているのが、あの「禁断の果実」のエピソードである。
それでは、言ったいどうすれば真理への「理解」に私たちは到達できるのか。あるいは、そう問うこと自体がもはや無益で、その方法は何一つとして存在しないということなのか。この問いへの答えは、実は、ヘリアカルライジングを象徴したソーラーコード121の中に隠されている。
天からの賜物としての「霊の光」(シリウスの火花、オーレリア)が降下し、それが「頭」ではなく、「心」に受容されること。先の真理への問いに対して、このコードはそうした答えを告げている。
もし人がイデアを頭で認識しようとするなら、その頭は炎上し(シリウスの語源は「焼き焦がすもの」を意味するギリシャ語「セイリオス」)、結果その人は「永遠の死」に至ることになるだろう。カバラの生命の樹において、ダート(認識)が不可視のセフィラとして空洞化しているのは、それを暗示してのことである。
しかし人がイデアを「真心」(マヌポース、生命の樹のティフェレト、天体では太陽にあたる)で受容し、それを自らの人生の《教典》(みおしえ、ともしび)となすなら、その人は「神の楽園」と「永遠の生命」の秘密を、そこに読み取ることになるだろう。
これがヘリアカルライジング、すなわちシリウス(イシス=ソティス)と太陽(ラー=ホルス)の「聖なる結婚」である。
そしてこの結婚を果たした人は、もう二度と他所にイデアを知ろうと試みる必要はない。なぜなら、その人自身が、すでにイデアと一体になったからである。
天なる光の神ラー=ホルス、地なる生命の女神イシス=ソティス、そしてヘリアカルライジングによって完全に燃え尽きた《自己》の灰の中から《我欲》なきものとして新たに生まれでる雛鳥としてのフェニックス。
これが《不死鳥の騎士団》の栄光ある三位一体の秘密である。
そして、その神秘の小鍵は、
309(ホルス)+105(シリウス)=414=AIN SVP AVR(無限光)
414(54)+121=175として示される。
●ソーラーコード175「公の有名な機関である建物の正門に掲げられた弔意を示す半旗」
そして、さらに、この《自己》(小我)の《我欲》の死をあらわすコード175に、不死鳥の永遠の火(ShAIN シェン)と再誕の灰(AShS アシス)の大秘奥の鍵の数が加われば、それはアカシックの力の全てを超えた宇宙最強の魔力M.M.を生み出すのである。
追記 動物は人と異なり、イデアへの認識を試みない。試みず、知らず、ただひたすら自然にイデアと共に生きるのが動物である。それゆえに、動物の魂は始源の時と変わらず「楽園」の中にあり、その魂は常に「永遠の生命」を有しているのである。