メキシコに行く前は全く知らなかったのに、メキシコ旅行を終えてからすっかりなじみのある名前になったルイス・バラガン(Luis Barragan)。
20世紀を代表するメキシコ近代建築の巨匠です。
メキシコの自然や風土を置き換えたピンクや黄色、黄土色や薄紫の壁、流れる水や光と影を効果的に用いた現代アートのようなバラガン建築には、建築家のみならず、インテリアデザイナーやファッションデザイナーといったクリエーターにもファンが多いのだとか。
ただメキシコにしか作品がないため、実物を見るにはメキシコに行くしかありません。
今回のメキシコ旅行で私達が行ったバラガン建築は、
・バラガンの故郷でメキシコ第2の都市グアダラハラにあるゴンサレス・ルナ邸
・トゥラルパンの礼拝堂
・世界遺産にもなったルイス・バラガン邸
・ヒラルディ邸(外から見ただけ)
の4つです。
一度に書ききれなかったので二回に分けてご紹介します。
●トゥラルパンの礼拝堂(Capilla de las Capuchinas Sacramentarias en Tlalpan)
ケレタロからメキシコ・シティに到着した日の午後(2007/2/15)は、テンプロ・マヨールを見学した後、トゥラルパンの礼拝堂へ行きました。
「20世紀最高の宗教建築はル・コルビュジェのロンシャンとトゥラルパンの礼拝堂です」と安藤忠雄氏も称する宗教建築です。
(2006年3月のル・コルビュジェのロンシャン旅行記はコチラ)
トゥラルパンの礼拝堂は街の中心部からは離れた位置にあります。
私達は地下鉄・路面電車・タクシーを乗り継いで行きました。
メトロ2号線でZocalo駅→終点のTasquena駅で下車:1人10peso(≒114円、1peso≒11.4円)、所要時間約25分
地下鉄駅も内部も明るくて安全。地下鉄はしばらくすると地上を走りました。
路面電車でTasquena駅→Huipulco駅下車:1人2peso(≒23円、1peso≒11.4円)、所要時間約20分
路面電車は1人2peso均一という安さですが、混んでいて地面に直接座っている若者達もいました。
Huipulco駅で下車して道端で流しのリブレ(Libre)を拾いました。初めて乗るリブレだったので緊張しましたが、運ちゃんは穏やかでいい人っぽくてホッ。
タクシー料金は20peso(≒228円、1peso≒11.4円)、10分ほど乗りましたが、私達が地図を持っていなかったので、タクシーは礼拝堂を通り越してイダルゴ広場の方まで行ってしまいました。
礼拝堂へはイダルゴ広場からトゥラルパン通りを10分ほど歩いて戻りました。ここら辺ではないかと当たりをつけ周辺をうろうろしていたところ、シスターと男性が入口で話している建物があり、ここが目指していたトゥラルパンの礼拝堂でした。
既に17時を過ぎており「本日の見学時間は終了した」らしきことをシスターに言われ、せっかくここまで来たのに・・・と泣きそうだったのですが、どこから来たかと聞かれ「日本からです」と言うと、中に入れてもらいました。よかったー。
そんなわけで、見学は余裕をもってお早めに。
見学するには1人40peso以上の寄付が必要とのことだったので2人で100peso(≒1,140円)を寄付しました。
シスターに中庭に連れて行かれ、何かを言い残して部屋に戻って行かれました。
中庭だけしか見られないのかなあと思っていたら、シスターが戻ってきて教会内部に案内されました。
礼拝堂の内部は撮影不可でした。
オレンジと黄色の壁、そして祭壇脇から差し込む柔らかな光が幻想的な礼拝堂内部は、建物自体の構造はシンプルですが温かみがあってとても美しかったです。
オレンジと黄色というポップな暖色系が礼拝堂の壁に使われているのに驚きましたが、それらの色が全く違和感無くしっくりしていました。
落ち着きのある静謐な空間で、ほーっとため息をついていつまでもここにいたいと思わされるような場所でした。
が、見学時間を過ぎていたし側でシスターに見守られていたので早々に退出。
中庭は撮影可能でした。
白い壁に鮮やかなピンクのブーゲンビリア
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バラガン建築の特徴である水
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正味15分弱の滞在でしたが、見学時間終了にも関わらず内部を見せて下さったシスターに感謝です。
シスターに御礼を言って礼拝堂を出た後、タクシーを拾うため、最初にタクシーを降りた広場まで戻りました。
広場に面したメキシコらしいカラフルな建物
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この地区のお役所(お役所は壁が壁画になっていることが多い)
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広場にはシティオ(Sitio)が止まっていたので乗り、Estadio Azteca(アステカ競技場)まで行ってもらいました。
タクシー料金は40peso(≒456円、1peso≒11.4円)、所要時間10分でした。シティオはリブレの2倍料金というのは正しかったです。
(メキシコのタクシー、リブレとシティオについてはコチラ)
メキシコオリンピックで日本代表がサッカー銅メダルを獲得したアステカ競技場
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アステカ競技場前のサッカーグッズ売り場
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アステカ競技場前のE.AZTECA駅から路面電車に乗りTasquena駅で地下鉄2号線に乗り換えZocalo駅に着いたのは18時前でした。
<お役立ち情報>
・Tasquena駅発の路面電車に乗って終点まで行くとXochimilco(ソチミルコ)駅です。スペインの征服前はメキシコ・シティの大半は湖でしたが、その面影を残す運河の街がソチミルコで、メキシコ・シティと共に世界遺産にも登録されています。私達は時間がなくて行けなかったのですが、トゥラルパン礼拝堂の最寄駅からほんの数駅ほどなので、時間があればセットで行くのもいいと思います。「CASA BRUTUS」の記事によると、バラガンの仕掛けた光のドラマは朝日が差し込み太陽が徐々に昇っていく朝早い時間帯にしか体験できないそうなので、午前中の訪問がベターかも(因みにCASA BRUTUSの記事では朝7時に礼拝堂に入れていました)。
・メキシコ・シティのバラガン建築とキャンデラ建築、ともに中心部から離れた位置にありますが、行き方が分からなかった時に一番参考にさせて頂いたのが「viage a MEXICO」さんのHPです。2004年5月の旅行記ですが、行き方も詳しく写真も豊富で、TH(夫)はこのHPを見てキャンデラの教会建築を見に行きたくなったそうです。短期間でよくこれだけの場所を周られたなあ~と感心させられます。記事をプリントアウトして持って行ったお陰で行きたかった場所にたどり着けました。TH(夫)は「このHPのおかげで助かった!帰ったら御礼のメールをしなくては」と何度も言っていました。この場を借りて御礼申し上げます
尚、トゥラルパン礼拝堂へ行かれる時は、こちらの地図をプリントアウトして持って行かれることをおすすめします(私達は持って行き忘れて道に迷いました)。
・帰国後購入したのですが、出発前に読んで行ければもっとバラガン建築をしっかり見て帰って来られたのにと思ったのが、TOTO出版「カーサ・バラガン CASA BARRAGAN」と「Casa BRUTUS 2002 vol.27 安藤忠雄とメキシコへ。ルイス・バラガン建築の世界。」の2冊です。「カーサ・バラガン CASA BARRAGAN」は日本語・英語表記で説明も詳しくカラー写真が豊富な割にお値段もお手頃、表紙もカッコいいので飾っています。
カーサ・バラガン 齋藤 裕 TOTO出版 このアイテムの詳細を見る |
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ありがとうございます
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ルイス・バラガン―バラガン自邸1947 (GAグローバル・アーキテクチュア (No.48)) ルイス・バラガン,エミリオ・アンバス,二川 幸夫 A.D.A.Edita Tokyo このアイテムの詳細を見る |
ルイス・バラガンの建築 斎藤 裕 TOTO出版 このアイテムの詳細を見る |
ルイガンズ雑誌でみたことあります。
メキシコっぽい色合いですよね。
メキシコの人はカラフルな色をうまく使って落ち着く空間をつくるのがうまいと思いました。
ただ良く見るとバラガンの家もそうですが、白とか茶色とか落ち着いた色を基調にして、そこに鮮やかな色を組み合わせている気がします。
日本でもバラガンのような家ができるの楽しみにしています。