丸亀市内から、ひたすら東を目指した。
寝不足のぼーっとした頭に容赦なく、朝から強い日差しが照りつける。
土器川の河口付近から讃岐富士(飯野山)の秀麗な姿が望まれる。
この山に代表される、なだらかな双曲線を描く山が多いのが讃岐路の風景だろう。
宇多津の街並み保全には驚かされる。
やっと通り全体の統一感を保つことが美しいという認識が定着してきたようだ。
戦後の一時期から日本は旧来の価値観や美意識を失い、
個々が勝手に自己主張することを当たり前のように受け入れてしまった。
その結果が、日本中何処にも展開する郊外の風景かもしれない…
朝一番に訪れた78番郷照寺は、ちょっと気持ちの好い札所だった。
「おはようございます」と入口にもうけられた納経所から声がかかる。
それだけで朝から好い気分にさせられる(笑)
本堂や大師堂の天井部分には、一面の華やかな花の浮彫が施されている。
そして煌びやかな観世音菩薩像の地下には千体観音が光り輝く(ちょっと吃驚)
納経を終えて訪れた納経所の女性も、にこやかに応対し爽やかな印象…その上美人(笑)
さらに79番高照院天皇寺へも、ずっと東へ道が延びる。
公園を突き抜け、商店街を突き抜け、通りは東へ向けて一直線。
「がんばりまい…」とお国訛りで励ます遍路用標識が並び、
四国ガスの販売店によるお遍路さん向けの「足湯」サービスなんてのもあった。
照りつける陽射しに、うんざりしていると、すーっと影が差して緑陰に涼しげな水音。
高照院天皇寺手前の八十場の泉だった。
ところてんのお店も出ている。
高照院天皇寺ではクニシンくんと再会。
観音寺に実家のあるクニシンくんが、数日のんびりしている内に、
やっと荷物の軽くなった私が追いついたようだ。
松山を前にした久万高原以来。
もうこうなったら88番大窪寺を打ち終わって、お互いのゴールである1番霊山寺で祝杯を上げようと話がまとまった。
しかし相変わらず野宿を続ける彼には頭が下がる。
これが本来のお遍路(歩き遍路)の姿だと思う。
80番国分寺を打ち終わって五色台の山道へかかる。
昨日のように頑張れば次の81番白峯寺も打てたと思う。
でも、もうそれは止めた。
スローダウンして、のんびり残り少なくなったお遍路を楽しもう。
そして今日は、ゆっくり眠る。
白峯寺近くに予約したかんぽの宿から臨む瀬戸大橋に沈む夕日の風景も美しかった。
6/23の歩行距離、24.2km。
18日に今度は友達と23番からはじめました。しかし、ずっと雨で2人とも足に豆ができ、天気予報で翌日は、大雨で雷もあると知り、全く嫌気がして、ついにgive upです。20日、雷と大雨の中すごすごと帰ってきました。途中のバスの中で7人のお遍路さんを見かけて、自己嫌悪に陥りました。
途中の景色は素晴らしく灰色の空ではなく、青空の下、青い大海原を見たいと思ったのも止めた理由のひとつです。
だらしない私と違って風邪をひいても、宿坊がやっていなくてもよくがんばっていますね。頭が下がります。
あと少し、体を大切にして是非祝杯を挙げてください。
私は次いつ行こうか考えています。
それでこそ、涅槃の道場の心ではないでしょうか?(笑)
残り少ないからこそ、この修行道場を楽しみましょう。
どうしているかと心配していました。
無理することないです。
今日の私の経験から、真夏はとても暑くて歩けません。
今度は10月の涼しくなってからが最適かと思います。
クニシンくん。
本当に今日は暑かった。
なんだか五台山周辺を一日彷徨っていた気分です。
また明日(今日)からやり直しです。
大師の御心さま。
それにしても今日のお大師様の御心は、厳しい試練でした、
なかなか、すんなり終わらせてくれません(笑)