ボイジャーがついに太陽の重力圏から出て、太陽風の届く領域を2012年8月に抜け出したと認定された。
ボイジャーほど私たちの孤独な心情を仮託させる宇宙探査機はないだろう。
あの有名な小さなな青い点として宇宙空間に浮かぶ地球の映像。
それが、ついに太陽系といいう私たちの属する惑星の圏内を越えて、
188億キロの彼方、絶対孤独の未知の宇宙へと消えてゆく。
電源の寿命が尽きる2020年(東京でオリンピックの開催される年)まではデータ送信を続けるという。
ボイジャーの動画を2本見つけたので張っておきます。
http://www.youtube.com/watch?v=mvccpFsRC6k
(画像が小さいので右下の[ ] 全画面表示で観てください)
それにしても何時も、気持ちが行き詰まったときに観るのは、あの動画だった。
「私たちの惑星は、この漆黒の闇に浮かぶ、ひとつぶの孤独な泡にすぎない」
今、立っている位置を振り返り、とても謙虚にさせてくれる。
「はやぶさ」もそうでしたが、科学技術の発達はすごいものが在ります。
我々が生きていく上での励みになることも事実です。
次は今日打ち上げの「イプシロン」の成功を祈りたいと思います。
なかなかじっとしていられない鬼城さんらしく、早くもブログ再開ですね(笑)
私は、このボイジャーに特別の思い入れがあります。
人間の創り出したものが、太陽圏を越えて未知の星間飛行へ旅立ったということは、
月面着陸以上に歴史的な出来事だと思っています。
(TV向けでないので、ニュースとしての関心は低いようですね)
そして私は、これら宇宙探査機に対して探検家や冒険家の姿を重ねてしまいます(苦笑)
探検家たちは未知の世界に旅立ち、その成果を携え帰還することで、その偉業を祝福されます。
はやぶさも見事にミッションを果たし帰還したことで、人々に感動を与え祝福されました。
でもボイジャーは違います。
最初から帰還することをプログラミングされていません。
木星や土星の貴重な情報を律儀に送り続けながら、ついに我々の属する太陽圏の境界に立ち、
ふっと、もう二度と帰ることのない小さな青い点である故郷の星を振り返り、
深遠の彼方へと旅立つ、孤高の旅人の背中を見送るような強い感傷を抑えることができません。
「絶対孤独」という比喩を、あえて使わせてもらいました。
ユーラシアの縁から凍ったベーリンジアを越えた私たちの遠い祖先のように、
未知の世界に旅立った偉大な旅人に、心からエールを贈りたいです。
でもあれは我々人類が、ボイジャーに背負わせた過酷な運命に対する免罪符のようなものですよね。
宇宙の塵のような存在であるボイジャーが、未知の高い知性体によって回収される確率なんて、
ほとんどゼロと云っていい。
もし永遠ともいえる時間、彷徨うことを運命づけられたボイジャーが、神ともいえる知性体と出会ったならば、
それは完璧な祝福の瞬間ですよ。
いかにもキリスト教徒の考えそうなシチュエーションです(笑)
でも、その瞬間を信じてあげたいですね。