Landscape diary ランスケ・ ダイアリー

ランドスケープ ・ダイアリー。
山の風景、野の風景、街の風景そして心象風景…
視線の先にあるの風景の記憶を綴ります。

お彼岸

2011-03-21 | 風景

 彼岸の中日前後は、あいにくの雨模様。
 日程をずらして土曜日の墓参を決めた。

 車依存症の傾向のある弟は、前回のバス旅行で懲りたらしい。
 door to door の利便性に慣らされてしまうと、
 公共交通の待ち時間や乗り換えさへが億劫らしい。
 こういう不精者が多い…それも車依存度の高い地方都市ほど。

 といわけで、お彼岸の墓参りは、私ひとりで出発。
 また朝一番の急行バスに乗る。
 連日、震災関連報道を深夜まで観ているので今朝も寝不足。
 窓辺の温かな陽射しを浴びて、うつらうつら…
 南予方面の早咲きの山櫻を期待したが、
 車窓の風景からは、まだその気配もなかった。
 宇和島乗り換えで、岩松ゆきの各駅停車。

 峠を越えて、岩松川沿いの桜並木がチラホラ咲き始めている。
 対岸の高台に菩提寺の墓所が見える。
 「父さん母さん、会いにやって来たよ」
 バスを降りて橋を渡る。
 旧い家並みの続く商店街を歩き、前回みつけておいた花屋さんで
 墓参のためのお花と樒を買い求める。

 
 
 
 
 

 山門で一礼して境内へ。
 本堂の前に震災被災地へ向けた義援金を呼びかける掲示と募金箱。
 臨済宗妙心寺派の花園会の呼びかけ…些少なりの気持ちを込めて投函。
 この時、千円札を一枚投函したのだが、
 昨夜の報道を観ると、支援物資が絶望的に足りないようだ。
 なにせ被災地域が広域過ぎる…かって例をみないほど壊滅的な被災の上に
 30万人を越える避難民に対して生存ぎりぎりの物資が届いていない。

 ここで私からの提案です。
 皆さん一人一人が、一万円を義援金として投函しましょう。
 ひとり一万円を百人が出せば百万円。千人なら一千万円と
 目に見えて数字が実効的になってゆきます。
 ちょっと無理すれば個人でも出せる金額です。
 ニュース報道では、今も絶望的な物資不足のため、力尽きて亡くなってゆく
 お年寄りたちが後を絶たないと報じています。
 今、食べている食事や飲み物さへ手に入らない被災地のために実効的な善意を。

 義援金受付サイトをリンクしました。

 墓周りを掃除して墓石を水で清め、花と樒を添え、線香を点てる。
 もうそれだけで、じっとり汗ばむ陽気。
 和尚さんもみえてしばらく談笑。
 お遍路や被災地のことなど色んなお話を伺った。

 墓石の前で父母に語りかける…いくら語りかけても何も返って来ない。
 頭上では鳶(とんび)がピョォ~ロ~と何羽も旋回している。
 遺骨は、この中に納まっているのに、なんだろう…この心に響かない感じ。
 それでも小一時間、ずっと墓所の前で父母に語りかけていた。
 「さぁ、もう行くよ」
 立ち上がると後ろ髪を引かれる想い…
 何度も振り返り、「また一周忌と百ヶ日の法事に来るから」
 正午過ぎ、菩提寺を出て、宇和島ゆきのバスに乗る。

 
 
 

 バスを降りて、先ず伊達博物館へ。
 またしても予告なしの突然の訪問で申し訳ありません。
 笑顔で迎えてくれた鬼城さんと和やかな時間を過ごせた。
 豊富な話題に惹き込まれるように気持ちが軽くなり、
 博物館を辞した。

 そのまま鬼城さんご推薦の愛宕山方面へ足を向ける。
 ぶらりぶらりと市内を気侭に散策。
 木蓮の白い花が、いたるところで大輪の花を咲かせ目を引いた。
 山手の小学校に沿って小さな流れを辿ると、
 鬱蒼とした棕櫚や蘇鉄に蔓草がからまるような南国風のワイルドな光景にも出会った。
 何度か道に迷いながら、その度に道ゆく人に尋ね軌道修正(笑)

 やっと宇和津彦神社に辿り着き、そのまま境内を抜けて愛宕山へ。
 つづら折りの道沿いは桜並木。
 まだ開花には早そうだが、ずいぶん花芽が膨らんできている。
 展望台からの眺めは、市街地の先に宇和島城、そして入江の左手に九島を配し、
 穏やかな宇和海を望む。
 あいにくどんより高曇りの日和だったが、黄昏時の眺めは素晴らしいだろう。
 それはまた、鬼城さんのブログを楽しみに待とう。
 あっ、今覗くと宇和島は3/20桜の開花宣言ですね。

 帰路、バスの車窓から眺めた宇和海に沈む黄金色の輝きに包まれた夕景は印象的でした。

 
 

 

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2 コメント

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呼びかけ (鬼城)
2011-03-23 09:37:23
姉妹都市の仙台、大崎入りを希望していますが、今のところ困難な状況のようです。義援金の件は大賛成です。

支援の輪は広がってきています。まだまだ、日本も捨てたものじゃあない気もします。毎日の報道に関しては知りたいことのみにしてほしい。見ているとこれでもか、これでもかと疲れが倍増します。まずは被災者、被災地区のことを考えてといいたいですね。

最近というより、仕事を始めてお寺に行く機会が多くなりました。ランスケさんの菩提寺、上がったことはありませんが、良いお寺ですね。広くなった宇和島市ですが、唯一、古い町並みが残っているすばらしい岩松地区です。大切にせねば・・・
現時点で私たちに出来ること (ランスケ)
2011-03-23 19:48:30
鬼城さん、ニュースや新聞、ネット、口コミ等色んな情報を集めています。
ブログ左枠外中段に「SAVE JAPAN」と「義援金受付情報サイト」をブックマークしました。

確かに仰る通り、現時点では医療や介護、運送それにライフライン(水道、電気、通信等)
の専門職の方々が被災地では求められ続々と現地入りしているようですね。
私たちに出来ることは、現時点で必要とされる物資や義援金等の
後方支援することでしょうね。
被災地では時間の経過と共に必要とされるモノが変わってきます。
やっぱり義援金が無難な選択でしょう。

それにしても放射能汚染は不気味で不安です。
さかんに連呼する「ただちに人体に影響ない」は、
放射性物質が食物連鎖の過程で濃縮されるという特長に
あえて言及しないところが不安を助長させないための
苦肉の策のように思えるのですが…

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