ゑんぢんぶろぐANOTHER!

環境の激変に当の本人が一番馴染んでいない現状…まぁぶろぐは二つとも変わらずまったりどうでもいい事をつらつら書くだけだが。

シリーズ「読了」

2020-11-22 15:23:23 | 読書
「展望塔の殺人」
著者:島田荘司

(ネタバレ防止フィルター稼働中)

1980年代の短編を集めた一冊。
本格のゴッドファーザー以前の島田荘司独特の個性的過ぎるストーリーテリングが味わえる。

「緑色の死」
…最初の内は「語り手」のキャラクターに違和感しか感じない。
それでも「島田荘司だからどうにかしてくれる」という奇妙な信頼感に支えられて読み進める。
…「なあばすぶれいくだうん」のあるエピソードを彷彿させる展開に←恒例超絶激古ニッチネタktkr

過去を遡り、一つずつ辿っていくとソコに現れる「真相」とは…?

エンディングには驚愕の◯◯◯◯が…!?

「都市の声」
…「ケータイ」が普及しまくった感のある現在となってはこうした一種の「ストーカー」じみた犯罪?は逆の意味でリアリティに欠けるんだろうが…どっこいこの話はそれだけではなかった。
著者得意の「…?ちょ、これ何の話?」からのアサッテどころではない大回りしてまさかの落としどころ、という「島荘」節が存分に楽しめる。エンディングはちょっと…な片付け方だがそれはそれ。

この二編はガチで怖い。
ミステリーというより昭和の怪奇小説みたい。

「発狂する重役」
…吉敷竹史登場!…実はこれが楽しみでこの本を手にしている。

ある朝、ハイヒールを前にオカシくなっているのを発見された偉い人…。いったいそこで何が起こったのか?

これこれ、これよ!
他に類を見ない超絶力業!
これで読者を(ムリヤリ)納得させる筆力を剛腕と言わずして何と呼ぶ。

「展望塔の殺人」
…表題作。マンマの事件だが、実は…。
これもモノ凄い力業。こんな話よく短編に詰め込んだな。

今となっては途中のブッ飛んだ理論が笑えない世の中になって来てる。著者の慧眼というべきなんだろうか。

「死聴率」
…頭をよぎったのは、某実在俳優で有名テレビ番組の司会者…解説で明かされるがやはりその事件がモデルになっているようだ。
現在ではこのような小説を書く事は絶対に不可能だろう。

…とはいえ、こっそりテレビ局がこんな筋書きでヤラカしそうなのがかなりマジで怖い…。

「D坂の密室殺人」
…コレもアウトだな。絶対に絶対に無理。
タイトルからして某大先輩作家の代表作で超絶有名探偵の作品のオマージュだろうが…。

かつてはこの手のエログロっぽくてオドロオドロシい「探偵小説」はよく見られたらしいが…このご時世ではよほど周到な策を練らないと、下手すりゃ出版社ごとお終いになってしまう。

その分作家さんにとっては難しい時代になったんだろうなぁ…。


著者の過去作っ
「屋上」
「御手洗潔と進々堂珈琲」
「最後の一球」
「リベルタスの寓話」
「龍臥亭事件(上)」
「龍臥亭事件(下)」
「龍臥亭幻想(上)」
「龍臥亭幻想(下)」


「満足度:◯」
◎:オススメ
◯:まずまず
△:好きな人もいるかも
×:読まない方が…
※:絶版キボンヌ

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