
映画「レスラー」は今年観た中で一番になってしまいそう。
「スラムドッグミリオネア」も圧倒的に良かったのだけど、私の中ではすっかり肩を並べている。
決してハッピームービーではないしプロレスというのがテーマなので、好き嫌いはハッキリしちゃうかもしれないけど、レスラーという生き方のドキュメントもののような感じ。職業や立場が違ってもどこかに思い当たるところがあり、生きるのってこんなに息苦しいものなのかと胸が締め付けられた。なんだか顔から体から緩みまくって頂点から落ちに落ちちゃったミッキー・ローク。そんな彼からにじみ出る何かも、なおさら胸をぎゅむぎゅむと締め上げる。
年齢を重ねること、ステージから退くこと、残りの人生の過ごし方。不器用な恋愛や親子関係など、もうどれをとっても切なすぎて自然にほろほろほろ。
プロレスのエグい表現があるので全然ダメな人もいるだろうけど、しかしそこよりも人生の本質に迫り、切なさを通り越してココロの奥底にいくつもいくつもしずくを落とし、波紋を広げる映画でした。
先週の映画の日に行ったら、いかにもプロレスファンのおにいさんやおじさんが多かったのは否定できないのだけど。