今日が入学式の学校も多いみたいですね。
ご入学の皆様、おめでとうございます。
入学式と言えば、桜咲く頃。
満開を通り越して、だいぶ散ってきているけれど、東京の桜、今年はギリギリセーフという感じでしょうか。
桜と聞いて思い出すのは20代前半の私が初めて勤めた場所。
季節が春にになると、桜が綺麗に咲き誇る土地で、就職したての私は働いていました。
摂食障害の真っ只中、過食嘔吐が真っ盛りだった当時の私。
“普通”ということが何なのか分からず苦しくて。
毎日を生きていることが何故だかツラくて哀しくて仕方なく。
それでも、死ぬことは自分が許さず。
そんなある日、春の午後。
温かく柔らかな陽射しの中、仕事で自転車を一人こぐ私。
キコキコと自転車に乗りながら、ふと、「こんなに苦しくて哀しいのに、なんで生きていなくちゃいけないんだろう?」という想いが湧いてきて、ポロポロポロポロポロポロ…涙が止まらなくなってしまいました。
次々あふれる涙で、目の前の風景が滲んで歪んで見えてきて。
危ない危ない。
私は自転車をこぐのをやめて立ち止まりました。
道の端に自転車を停めて、こみ上げて止まらない涙を拭き拭き顔をあげると、私の目の前には息をのむほど華やかな桜の並木道。
私を包み込んでしまうかのように、桜の花びらが舞いながら散っていました。
暖かな風にのり、舞い散る桜の花びら。
見事なまでに舞う花びらは咽ぶようで、まるで私と一緒に桜が泣いてくれているようでした。
当時の私は誰のことも信じられず、ずっとずっと独りぼっちな気持ちでいっぱいでした。
優しくしてくれる人が周りにいたのに、その優しさを素直に受け取ることもできず、自分自身を孤独だと思い込んでいました。
そんな時、桜が私と一緒に泣いてくれた。そんな気がして。
あぁ、もう少し生きられるかな。
そんなふうに思えて。
桜は、嘘をつかず、黙って そこにいてくれました。
次の年も、その次の春も。
なんとか頑張り続ける私のそばで、桜は変わらずに、チカラいっぱい見事に咲いて。
そして、春になるたび、私に生きる勇気を与えてくれながら、桜は散っていきました。
転勤でその土地を離れてから20年近くが経ちました。
今も桜舞う季節に目を閉じると、当時の風景が私に囁いてくれる気がします。
「ツラいね。苦しいね。でもね、きっと大丈夫だから。ほら、涙を拭いて。大丈夫。私がそばにいるから」と。
桜の季節、その地には もう ずっとご無沙汰してしまっています。
来年の春には、あの時の桜に会いに行けるかな?
会いに行けたら、桜にお礼を言って。生きている自分のこと、自分で誉めてあげようかと思います。
桜が元気をくれた…そんなお話(笑)。
読んでいただき、ありがとうございます。
ご入学の皆様、おめでとうございます。
入学式と言えば、桜咲く頃。
満開を通り越して、だいぶ散ってきているけれど、東京の桜、今年はギリギリセーフという感じでしょうか。
桜と聞いて思い出すのは20代前半の私が初めて勤めた場所。
季節が春にになると、桜が綺麗に咲き誇る土地で、就職したての私は働いていました。
摂食障害の真っ只中、過食嘔吐が真っ盛りだった当時の私。
“普通”ということが何なのか分からず苦しくて。
毎日を生きていることが何故だかツラくて哀しくて仕方なく。
それでも、死ぬことは自分が許さず。
そんなある日、春の午後。
温かく柔らかな陽射しの中、仕事で自転車を一人こぐ私。
キコキコと自転車に乗りながら、ふと、「こんなに苦しくて哀しいのに、なんで生きていなくちゃいけないんだろう?」という想いが湧いてきて、ポロポロポロポロポロポロ…涙が止まらなくなってしまいました。
次々あふれる涙で、目の前の風景が滲んで歪んで見えてきて。
危ない危ない。
私は自転車をこぐのをやめて立ち止まりました。
道の端に自転車を停めて、こみ上げて止まらない涙を拭き拭き顔をあげると、私の目の前には息をのむほど華やかな桜の並木道。
私を包み込んでしまうかのように、桜の花びらが舞いながら散っていました。
暖かな風にのり、舞い散る桜の花びら。
見事なまでに舞う花びらは咽ぶようで、まるで私と一緒に桜が泣いてくれているようでした。
当時の私は誰のことも信じられず、ずっとずっと独りぼっちな気持ちでいっぱいでした。
優しくしてくれる人が周りにいたのに、その優しさを素直に受け取ることもできず、自分自身を孤独だと思い込んでいました。
そんな時、桜が私と一緒に泣いてくれた。そんな気がして。
あぁ、もう少し生きられるかな。
そんなふうに思えて。
桜は、嘘をつかず、黙って そこにいてくれました。
次の年も、その次の春も。
なんとか頑張り続ける私のそばで、桜は変わらずに、チカラいっぱい見事に咲いて。
そして、春になるたび、私に生きる勇気を与えてくれながら、桜は散っていきました。
転勤でその土地を離れてから20年近くが経ちました。
今も桜舞う季節に目を閉じると、当時の風景が私に囁いてくれる気がします。
「ツラいね。苦しいね。でもね、きっと大丈夫だから。ほら、涙を拭いて。大丈夫。私がそばにいるから」と。
桜の季節、その地には もう ずっとご無沙汰してしまっています。
来年の春には、あの時の桜に会いに行けるかな?
会いに行けたら、桜にお礼を言って。生きている自分のこと、自分で誉めてあげようかと思います。
桜が元気をくれた…そんなお話(笑)。
読んでいただき、ありがとうございます。