サンチョパンサの憂鬱

忘れた頃に……

忘れた頃になってスマホが鳴る。

変わらぬ相手の話し振りに自分の心の打算が炙り出される様な気恥ずかしさを感じてしまったりもする。

何らかの事情があり、中々連絡出来なかったであろう雰囲気が伝わり来る。

俺はその間に彼の事を思ったか?思うには思ったけれど……二、三度 誘っても来てくれなかった人間として既に処理してたんじゃ?……なかったか?。

自分の要求する無理を他所に、待つ身の辛さが打算を選び、カネ価値ベースに縁なき人に分類してはいなかったか?……いや、していたのである。

とても惨めな気持ちになる。
自分の浅ましさに辟易となる。
相手の心根に相応しくない自分の心が哀しくなる。
まさしく……貧すれば貪すである。

そうやって……生きる事を思う時の自分と実際生きている自分とのギャップは何時も自己嫌悪を呼ぶのである。

気持ちはあるんだ!……そう言いたい自分と行動を伴わない気持ちなんて気紛れに等しい!と責めて来る自分が居る。

何時しか……自責の念が在るうちは健全なんだと、自分に対するタガを緩めて許すのが上手くなった。

ま、長く生きる間に……シッカリ自分の駄目さ加減を確かめた訳だけど、その効用はあったと思う。

こんな駄目な自分を相手にしてくれる世の中って優しいよね?……なんて殊勝な事を思う様になったのだから……。

相も変わらず貧しさとそれ故の多忙に吹き荒れる風……。
しかしその風を何時しか優しく感じる様になった。

自分が見捨てられてないと教えてくれている?その合図なのだと思う様になった。

何はともあれ……お前を見捨ててはいない!そう言って今日もスマホが鳴っている……。

僕は幸せなんだと思う。
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