サンチョパンサの憂鬱

嫉妬に対して……説得は無力である

『普通の日常の会話はどうでも良い』と思っている……と彼女は言った。焦れったいだけなのだと。

それは瞬時に観てとれた。何処がどうというんじゃなく伝わり来る。頭の良い女に特徴的な傾向だからだろう。

本音と本意がストレートに行き交うやり取りはとても楽しいけれど……普通にそれを演ると必ず……『浮く』のだと彼女は言った。

ここにも醜いアヒルの子が一人……と思った。そして早くも定番の防御策を身につけているな……と。

イケてる女は、突出しない事で身を守ろうとする。日常では聞き役に回る事多く自分の意思を封じ込める様にしている。

しかし君はイジメによく合う?はい!……何故ですかね?……それは言葉じゃなくニュアンスが伝わるからだ、と僕は言った。

ボリュームゾーンの人達は、具体的にじゃなく、『自分が劣っている事』だけを総体的な空気の中のニュアンスで掴むのだと……。

いずれは……そこの塊から抜け出して自分のポジションを勝ち取る事を避けれなくなると思う……と言うと確信している様に頷いた。

どうして?敵意を示さない相手にあれだけ敵意を剥き出しに出来るのか?分からなかった……と彼女は言った。

それは君の存在感が、相手を追い込み慌てさせるからだ。相手に取って十分過ぎる位貴女は相手に取っては敵意を放っているのだと僕は言った。

君が全く意識してなくても、『その存在感の差異』は相手を脅かすのだと……。
要するに君は心身ともにとても美しくその相手はイケテないという事だ……と。

そんな相手を労る為には、圧倒的な距離感をもってかけ上がる事だ。相手が手が届かない所に行けば相手は嫉妬を止める。嫉妬したってしょうがなくなるから……。

君は自分の趣味で着飾る事を止められないでしょ?
自分の目標は捨てれないでしょ?
ならば……それを実現するしかない。同じ場所で和気あいあい?は望むべくもない。

貴女がそれを望む事さえ相手には苦々しく映るかも……と言うと彼女はまた深く深く二度頷いた。

劣っている事の哀しみ、悔しさと優れている事の軋轢、心労……どちらにしてもフィフティ&フィフティなのである。

その前提条件は変えられない。
それを使ってどの様に時空をコーディネートして生きて行くか?
どちらにしても先天的に勝っている事だけで生きてちゃ詰まらないでしょ?

今のままじゃなく自分の望む高見に立てるか?それは貴女の今後に掛かっている……と僕は言った。

『ハッキリしました!』……と彼女は独り言の様に言った。
簡単な事だったのですね?……とても簡単な事なのだと僕は応えた……。

立ち上がった彼女は心なしか?背が高くなった様に見えた……。
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