懐(ふところ)
本気で叱って ゆるしてくれた 比類なき存在 我らはすべて その恩恵に預かる ...
若気
誰もいない歩道雨で濡れ光っている道をぼんやり眺めている若気の至りで街を去ったあの日フロントにあたる雨粒で歩道の灯が揺れそのまま自分も消えてしまえと思ったものだ ...
成長
いつも お笑い番組をみては ケラケラ ヤバい 体重を量って真顔になっても 次の日にはムシャムシャ 好きな人と別れても ケロっとして 無理無理とだけ なんだ オレ...
今年も
なにがあろうと 迸るように咲きながら 悶えるように また散るのか 車窓より ...
春先
海の異変 やはり 動いたが まだ まだ
余韻
Yさんは晩年見事な雪中花を描いていますそれを体現したかのように女性ながらまるで武将のような見事な散り際でした丁度 皆が集い残る者への感謝と励ましふと安心した間隙をついて眠るごとく・...
死を超えて
Yピエロさんから 唐突に 亡くなった弟さんが真っ白いスーツを着て 白い車で この施設を出ようと 言われたことを聞いたのが 昨年秋でした 気力と希望に満ちた Yさんの...
あいつ
小さいときから 俺には親がいないのと同じ なまじ居るから始末がわるい たった1回きりだけど 本心をさらけだした そういいながら もう酔っているのか 指からコップを ...
理解
父ちゃん行こう 妹が入院している病院への途上で 酔いつぶれてしまったのを 弟と何度も何度も起こそうとするが 小さな力ではどうしようもなく しばらく呆然と寝顔を見ていたが ...
虹
悪く言えば 男の我がままを通した生き様は 葬儀のときに結実する 日ごろ愛嬌が良いが 怒れば鬼神のような大男が オヤジよー 棺にすがりつき嗚咽する 花が家の周りでは足ら...