家業を継ぐ責任を 内心放棄したいと思っていたところ おいちょっと皆で山に行こうか 妹たちも連れ 石ころだらけの山に着いて 少し登ると 親父はいつの間に持ってきたのか ...

わたしは父親と銭湯に行くのが嫌だったその痩せて弱々しい体を見たくなかった当時は銭湯が普...

およそ10歳年上で 本来ならわたしの会社に出ることなどない やり手の社長だが その仕事に対する姿勢には頭が下がる 畑ちがいだろうと喰らいつくように 何でも来いである ...

来る日も 来る日も 変わらない 永遠から下った石を 今日も幼子が 思うままに刻むのでした ...

日照りに耐え 風雨のあとも痛ましく わずかな土に 不平をいわず  枯れそうで枯れない   強靭...

庭でノラ猫を見ると 一心不乱に吠えまくる 我が家の古参犬 新参猫と折り合えるか 懸念していたが 案の定 発情期と重なり ニャンニャン ワンワン しばらく続いたが ...

北の外れ花々の謳歌に呼応して海鳴りが響く 季節は移ろい風は幾たび雨に呼びかけたことか 濃い雲が降り岩場の道でアザミの棘がチクリと刺した わたしはかまわず歩き続ける 寄せては...

わたしは年相応に あなたの失敗が見えています だからあなたのことを 本当に心配して 警告したり 制限したり 提案したり 酷く叱ったりしました すべてあなたのためを思...

庭に植えた 娘の結婚記念樹である ムクが大きく育ち 隣木との間にロープを渡し ハンモックをかけると 七年越しの夢が叶った 木陰の風にゆられ 枝葉から覗く青空を見ている...

土産品の海苔を食べ 石のようなものを噛み 歯が欠けた 尖ったところに 舌があたり傷むので 仕事場の近くの歯科を 検索 アットホームな雰囲気で評判とあった 歯科に...