バイクをフェリーに載せて、ひと安心した。これから丸二日間、
ゆったりと船旅が楽しめるからである。
仙台港に着くのが翌日の夕刻だから、まだ昼頃だったと記憶
する。私と同部屋(カーテンの仕切りがある二段ベッド)に居る
のは70歳ぐらいの夫婦で、一つ向こうのベッドで言い争いの
ような話し声が始まった。
声の主は夫で、私が略して書くことにする。
「大体お前はな、こういう風にちゃんと首から下げるような癖が
身についてないからこうなるんだよ。笑っちゃうよな。じゃあな、
俺が電話するから。あ~もしもし、実はスマホを船から海に落
としちゃって・・・。笑っちゃうでしょ、はっはっは!」
スマホにはストラップが付いているのだから、ストラップの意味
を考えろ、と説教しているのだが、話を聞いていて、私は夫の
強い口調に少しばかりカチンと来ていた。
なので彼らの近くまで行き、夫に声掛けをした。
「話の内容が筒抜けなので、気になって・・・。ま、有りうること
だし・・・。それに落とした先が海ですから悪用もされないし。
で、奥さん、アイフォン?ほう、アンドロイド!安くて済みますね。
で、私が気になったのは、笑っちゃうよねと言われて携帯会社
の人が、はい笑っちゃう、とは言わないないですよね。私も話
を聞いていて、笑えなくて、ついつい口出しを・・・」
続けて、次のように言った。
「届け出のため警察に行くんですよね。歩くのは大変だから
タクシーが便利ですけど、乗って5分も掛かりませんから」
諍いの仲裁に入ったようなもんだが、夫の怪訝そうな顔が和ら
いできたので私も助かった。何しろ翌日の昼まで一緒の部屋
なんだから。
で、約3時間の停泊中に夫婦は全ての対応を終わらせ、船に
戻って来たのだが、妻がホッとしているのが伝わってきた。
偶然にも、彼らも私もイオン隣りの回転寿司が目に入り、一旦
は食欲をそそられたのだが、「スシローだから入るのをやめた」
と同じことを考えていたことがわかって、大笑いになった。
それが切っ掛けで、私ら三人は苫小牧に着くまで、寝る以外
は鳥やイルカの話に夢中になって語ることに・・・。
71歳の夫が常に首から下げていたのは双眼鏡であり、夫婦
で計画を立てずに暫く北海道を旅するのだそうな。
正確に言えば、彼ら夫婦は団塊の世代ではない。
でも、私が嫌う団塊の世代特有の夫婦関係にしか見えない。
男は働き、妻は家事・育児に専念させられる。外で働いてくる
方が偉くて、傍で観ていると親分・子分の関係になっている。
だから、「だいたいお前はな!」みたいに説教までされる。
たかだか5歳程度の違いだが、大きな溝が存在するのである。
さて、失敗して慌てたのはこの夫人だけではなく、その時点で
実は私も大失敗していたのである。その内容は後日詳しく・・・。
【追記】
旅行中にも金曜になれば一首投稿を続けていた。
帰宅して数日後に市立図書館へ行き、四週分の愛媛歌壇を
観て来た。
トップ掲載が一首。二番手掲載が一首。選評無しの平場掲載
が一首。そして、どこにも載ってない週もあった。
正直に言えば(無掲載とは何事か!)と思った。
載っている他の歌と比較するから、益々怪訝に思うわけだ。
で、考えられるのは、選者の優しさであろうか・・・と。
毎週、毎週、三首詠んでも一首も載らない人も居る筈なのだ。
だもの、私が選者だとしても、そういう人たちを応援するだろう。
それ以外は考えられないので、我慢することにした。
で、もう一つ考えたことがある。
毎週土曜に一部だけ新聞を買いに行くのが面倒だし、自分の
歌が何番目に載っているのか待ち遠しい訳ではなく、余裕が
あるので月始めに図書館へ確認しに行くことにした。
だから月300円前後の趣味になった(笑)。
最新の画像もっと見る
最近の「ノンジャンル」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事